米Microsoftの前CEO (最高経営責任者)であるSteve Ballmer氏が19日(米国時間)に、同社の取締役を退任した。
Mcrosoftは公式サイトで、Ballmer氏がSatya Nadella氏(現CEO)に宛てた書簡を公開している。Ballmer氏は2月にCEOを退任してから、この夏に不祥事でオーナーが永久追放になったNBAのロサンゼルス・クリッパーズの買収に乗りだし、8月12日に正式に承認された。新シーズンの開幕が間近に迫ったクリッパーズのオーナーとしての責務に加えて、教鞭を執る予定(スタンフォード大学で講義を持つと噂されている)もあり、秋から多忙になるため、このタイミングで取締役から退くと述べている。
Ballmer氏はハーバード大学時代にBill Gates氏と知り合い、Gates氏が創業したMicrosoftに入社。2000年1月にGates氏の後任としてCEOに就任した。CEO在任中にPCからモバイルへの移り変わりに直面し、Microsoftのデバイスとサービスへのシフトの道すじを整えて、今年2月にCEOのバトンをNadella氏に渡した。
Nadella氏が新CEOに就任した際に、Gates氏がテクノロジーアドバイザーとしてMicrosoftとの関わりを強め、前CEOのBallmer氏が取締役として残っていたため、三頭体制の悪影響が懸念された。Nadella氏はCEOとして「モバイル優先、クラウド優先」という自身の戦略を強く打ち出しており、Ballmer氏のクリッパーズ買収と取締役退任からも現在のMicrosoftがNadella氏の舵取りで改革を推進していることがわかる。