フィリップス エレクトロニクス ジャパンは8月19日、油で揚げずにフライができる調理器具「ノンフライヤー」の新機種「フィリップス ノンフライヤー プラス」(HD9530)を発表した。ノンフライヤーは日本では2013年4月に発売。2014年6月までに30万台以上を販売するというヒット商品となった。今回の新機種は、“日本仕様”を謳い、従来機種で消費者が求めた要望を克服してのお披露目となった。
前機種からの改良点の1つ目は操作部。従来機種では指先で回して温度や時間を設定するダイヤル式だったが、新機種ではデジタル表示のタッチパネルに変更。温度が5度刻みで調節可能になり、60度~200度までとより低温な調理ができるようになった(従来は80度~200)。時間設定もこれまでの30分から60分まで最大時間が延長され、低温と長時間との組み合わせによって調理可能なメニューの幅が広がった。
2つ目の改良点は、食材をセットするバスケットの仕様だ。まず、底面のネット部分にノンスティック加工が施され、焦げ付きにくくなっている。さらに、バスケット枠から独立して取り外すこともできるようになり、手入れが容易になっている。また、バスケット上部に取り外しが可能なカバーを用意し、熱風により飛び跳ねやすい食材の調理を可能にした。
細かな部分では、操作部に一時停止機能を追加。調理中に中身を確認したい場合などに便利だ。また、予熱の際、設定温度に達するとアラーム音で知らせる機能も搭載された。
本体のサイズは、W28.7×D31.5×H38.4cmと前モデルと同じ。重量は5.7kgと従来機種の7kgから1kg以上も軽くなっている。1,435Wの定格消費電力、2.2L/800gのバスケットの容量は従来機種と同じだ。
ノンフライヤーは「第二の電子レンジ」
製品発表会に登壇した、フィリップス キッチンアプライアンス上級副社長のクリスティン・メイ氏は「フィリップスは消費者の皆さんに調理をヘルプしていきたいという使命を持った会社。消費者のニーズに目を向けながら、トレンドにも注目しながら製品開発をしている。最近のトレンドは“健康”。それに貢献すべきだと弊社は考えている」と演説。グローバルに展開する企業として、それぞれの国におけるニーズに目を向け、6月に日本で発売したヌードルメーカーをはじめ、各国で独自製品を発売していることを明かした。
新製品のプレゼンテーションを行った、フィリップス エレクトロニクス ジャパン・コンシューマーライフスタイル事業部マーケティングマネージャーの伊藤弘隆氏は、「世帯普及率で言うと、ホームベーカリーが22%であるのに対して、ノンフライ調理器は1%にすぎない。まだまだ成長の余地がある。一家に一台を目指して、それを実現していくための一歩が今回の新製品」と意気込みを語った。
続いて、料理研究家・管理栄養士で、ノンフライヤーの市販レシピ本のメニュー開発に関わっている、村上祥子氏が登場。健康な食事とノンフライヤーの利点を解説した。たんぱく質をとるために、肉を食べるとなると心配なのが油分だが、「平均80%の油分をカットするとされるノンフライヤーなら安心。とにかく簡単で時短にもなり、第二の電子レンジと言える」と太鼓判を押した。また、「真ん中にチップを置けば、スモーク料理もできます」と、ベーコンの調理例など独自の活用法も紹介した。
村上氏によると一度に800gの鶏の唐揚げを調理可能とのこと。「最初は半信半疑だったけど、問題なくできた。サーキュレーターで加熱するので、食材の隅々に熱が行き渡り、鶏肉自体の油で揚がっていくのでノンフライでも非常に美味しい」。調理後のバスケットにはネットから落ちた余分な油が |
「ノンフライヤー プラス」は9月上旬発売予定で、市場想定価格は税込3万4,800円。ちなみに、従来機種の市場想定価格は2万9,800円だったので、5,000円程度の価格アップになる。なお、新機種で採用されたバスケットは、9月中旬から別売のアクセサリーとしても発売され、従来機種でも利用できるとのことだ。