フィンエアーグループ(以下、フィンエアー)は、エアバスの次世代機A350 XWB(エクストラワイドボディ)の欧州におけるローンチカスタマーとして、2015年に長距離路線に就航を予定している同機材のキャビンデザインを発表した。

ビジネスクラスの様子。フィンエアーのA350機にはすべてWi-Fiを装備

時間帯・行き先で変わる照明

明るく広々としたA350機のキャビンには、ビジネスとエコノミーいずれのクラスにおいても、見晴らしの良い大きな窓と快適なシートアレンジを採用。動的なアンビエントLED照明が緩やかな明るさの変化を生み出し、快適さとともに落ち着いた雰囲気を演出する。また、さらなる利便性向上のため、フィンエアーのA350機にはすべてWi-Fiが装備される。

機内デザインは、ヘルシンキ・ヴァンター空港の新プレミアムラウンジも手掛けた、ヘルシンキの大手デザイン会社dSign Vertti Kivi & Co社が担当。デザイナーのVertti Kivi氏は、「フィンランド的なデザインをお客様にお届けできることを誇りに思います。コンセプトとして、航空機が東方に向かう際にはオレンジの温かい色調で機内を満たし、ヘルシンキに到着する際には、きらびやかで鮮やかな青を内装に用いるなど、時間帯や行き先、季節に合わせて、照明や色彩などの雰囲気を動的に変える工夫を施しています」とコメントしている。

エアバスA350機は高度な空気浄化システムを採用しており、2~3分ごとに機内の換気を行う。無通気での空気管理、調整可能な複数の温度帯、機内の気圧の低さも、乗客の快適性を高める。また、エコスマート設計を採用しており、旧世代の同クラス機よりも燃料効率が25%向上している。

フィンエアーのA350 XWB

エコノミーも足回りを拡大

全297席のうち46席のビジネスクラスでは、すべての乗客が直接通路に出ることができる1-2-1のレイアウトを採用。フルフラットのベッドに変形可能なZodiac Cirrus IIIシートや、映画やTV番組、音楽などのデジタルコンテンツを、オンデマンド・多数の言語で楽しめる16インチのタッチスクリーン式機内エンターテインメントシステム、ACとUSBの電源コンセントの設置など、快適さを追求した様々な設備を用意する。

また、エコノミークラスのキャビンでは、快適なZodiac Z300スリムラインシートを採用。このシートは31インチの座席間隔で、3-3-3というレイアウトで配置される。キャビン前方にはエコノミーコンフォートが43席あり、より快適なヘッドレストと高品質のヘッドフォンが装備され、足回りも4インチ広くなっている。エコノミークラスの座席にはすべて、11インチのタッチスクリーン式機内エンターテインメントシステムと、USB電源コンセントが装備される。

エコノミークラスの座席

フィンエアーでは2015年後半よりA350機の運航開始を予定。最初の就航は上海、バンコク、北京になる見込みで、その後、順次長距離路線に導入していく。フィンエアーはA350機に関して、11機の正式契約と8機のオプション契約を交わしており、これらのA350機は長距離向けの主力航空機としての役割が目されている。