気づくと1本、2本と増え始める白髪。「年齢によるものだから」「親も多いし遺伝だから」とあきらめている人も多いかもしれない。白髪ができるメカニズムは今まであまりわかっていなかったが、最近になってさまざまな研究により解明されつつあるという。白髪研究の最新情報をお伝えしよう。
関係しているのは日焼けでおなじみのメラニン色素
髪は頭皮にある毛母細胞によって生み出されている。細胞分裂を繰り返して作り出された毛髪は、生まれた直後は白髪と同じように透明な状態だと言われている。そんな毛髪が、頭皮から生えてくるまでの間に色がつくのは、日焼けの仕組みなどでもおなじみの「色素細胞(メラノサイト)」が関係しているから。メラノサイトがつくり出したメラニン色素が、毛髪の内部に取り込まれることで黒く変化するのだ。
この事実から、「メラノサイトの働きが何らかの原因で弱まる」ため、「髪を黒くするメラニン色素が取り込まれない」結果として、「白髪になる」ということがわかっている。さらに今回、より詳しい研究によって、「メラノサイトが作ったメラニン色素を毛髪に『輸送』する能力」の低下も、白髪を作る原因に大きく関わっていることがわかったという。
見た目の印象がかなり老けて見えてしまう
白髪ができると、どうしても第一印象が老けて見られがちだ。頭髪が真っ白になればそれなりにおしゃれに見えることもあるが、途中の「ごま塩状態」のときは、老け顔な印象に映ってしまうこともある。髪を傷めないヘアカラーやヘアカラートリートメントなどをうまく使い分けて、カバーすることも大事になってくる。
白髪研究が実行されるのはもう少し先。まずは自己ケアを
メラニン色素と白髪の関係は次第にわかってきたが、実際に白髪ケアとして実践できるレベルになるにはもう少し時間がかかりそうだ。そのため、現段階ではセルフケアがやはり重要になってくる。
白髪は加齢や遺伝、病気などが大きな要因と言われるが、生活習慣も重要なので下記の3ポイントに注意するようにしよう。
対策1 亜鉛を意識した食事を摂取する
白髪予防には、昔から小さな魚や海草、黒ごまなどがよいとされている。これらは「亜鉛」が多く含まれているのが特徴。亜鉛は毛髪に重要な栄養素なのだ。亜鉛以外には、銅を豊富に含む大豆や貝類、アーモンドなどもお勧めだ。
対策2 暑い季節は特に紫外線防御が大事
今の季節は、頭皮に直射日光があたり、髪や頭皮が紫外線の影響を受けやすくなる。「メラニン色素に影響する白髪なので、紫外線を浴びて日焼けしたほうが髪が黒くなるのでは? 」と考えてしまうかもしれないが、そんなに単純ではない。紫外線を浴びることで頭皮や髪にダメージを受けてしまうほうが、深刻な問題だ。他の肌同様、直射日光や紫外線を浴びすぎないように注意しよう。
対策3 キューティクルケアを心がけて
キューティクルが開くと、髪の中の色素成分が外に出て、髪色が次第に落ちてくる可能性がある。「強くブラッシングする」「刺激が強いヘアカラーを使いすぎる」などの行為を行うと、キューティクルにダメージが出てくる。日頃のケアではトリートメントなどをプラスし、髪を染めるときには、トリートメント効果があるヘアカラー剤などを使って、ケアすることが大事だ。