数多くの候補から自分好みのものを選択できるAndroidデバイス。高度なカスタマイズが可能なことも魅力であり強みです。しかし、その反面、わかりにくさを指摘されることもあります。ここではそんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『自分のAndroid端末で「ART」は使えますか?』という質問に答えます。
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Googleは、Androidの次期バージョン「Android L」から、新しい仮想マシンを正式採用する方針を明らかにしました。それが「ART」で、従来の仮想マシン(Dalvik)に比べ2倍のパフォーマンスを実現します。Android 4.4(KitKat)から実験的な機能として搭載されていましたが、次のAndroid LからはARTがデフォルトの仮想マシンになる予定です。
ARTはパフォーマンス向上だけでなく、消費電力の節減にも貢献します。Dalvikでは、アプリのコードを起動時にCPUのネイティブコードに変換(JITコンパイル)しますが、ARTはアプリの導入時に変換を完了してしまいます(AOTコンパイル)。インストールにかかる時間は若干長くなりますが、何度も起動されるアプリはコンパイルを繰り返す必要がなくなり、トータルの消費電力は減ります。
完全な64ビット対応になることもポイントです。64ビットCPUの新しい命令セットや広いメモリ領域を活用できるようになり、パフォーマンスアップに貢献します。互換性も配慮され、従来のJavaバイトコードも変更なしに動作するため、これまで配布されてきたアプリも変わらず利用できます。
ARTが動作するかどうかですが、次期バージョン「Android L」に収録される形で配布されますから、Android Lに対応する端末であれば動作すると考えられます。現在公開されているAndroid Lの開発者向けプレビュー最新版(LPV81C)では、サポートされる端末はNexus 5とNexus 7(2013)Wi-Fi版のみですが、正式リリースが予定されている2014年秋が近づけば情報も増えてくることでしょう。