バンクオブアメリカ・メリルリンチはこのほど、2014年8月のファンドマネージャー調査の結果を発表した。それによると、地政学情勢の緊迫化と米国の金利上昇懸念を背景に、グローバル投資家はリスク資産の保有を圧縮し、キャッシュの配分を2年ぶりの水準まで引き上げていることがわかった。

キャッシュを「オーバーウエート」としている投資家は差し引き27%と、7月の差し引き12%から増加。グローバル・ポートフォリオの平均キャッシュ比率は5.1%と、前月の4.5%から上昇した。これらの比率はともに2012年6月以来の高水準となる。

一方、株式を「オーバーウエート」としている資産配分担当者は差し引き44%と、前月より17ポイントも低下。今後3カ月間に株価が急落する可能性に備えていると答えた割合は2008年10月以降で最多となった。

リスク回避の動きが広がる中、世界経済は今後1年間で「強くなる」と予想している回答者は前月の差し引き69%から減少したものの、差し引き56%と依然半数以上を占めた。しかし、欧州に対する市場心理は弱まっており、域内の収益見通しは前月比で調査開始以来、最大の悪化を記録した。

日本については、差し引き30%の資産配分担当者が日本株を「オーバーウエート」としていると回答。前月の差し引き26%から増加し、5地域中でトップとなった。

調査期間は2014年8月1日~7日。グローバルな質問への回答者は177人、特定地域の質問への回答者は112人。