Q:今仰ってるのは、IoTの次の話ですよね?

A:もちろんです。今で言うIoTだと、市場規模とか、もう判ってますよね。

Q:その時代まで今の半導体ビジネスがCMOSで続くのか、というと分かりませんけど。

A:そうなんですよ。CMOSになってから、もう随分長いですけど、その後がどうなるのかは判りませんね。

Q:そうした事柄は、TSMCとかIntelとか、そうしたFoundryをお持ちのところに聞かないといけないのかもしれませんがどうでしょう。

A:その辺の方は当事者なんですけど、往々にしてイノベーションは当事者じゃないところから起きますよね。そこが問題ですね。

Q:そこで網を張るのも内海さんのお仕事、というわけですね。

A:そうです。うちの良いところは、元々の会社がIPベンダなので、モノがない。ですから、変えやすいんです。極端な話としてCustomer baseを半導体ベンダーからセットメーカーなんていうレベルではなく、楽天のようなe-commerceに移してしまうといった事ができれば、そういうことも考えられるかと思います。

Q:それは例えばDesign&Reuseがやられているような?

A:それのもうちょっと、ARM版というか(笑)。

Q:その場合、ちゃんとMIPSとかPowerPCも売られるんですか?(笑)

A:そこは会社として譲れないところですね(笑)。ただ私としては、お金が儲かるんだったらこだわりは捨てた方がいいよね、というのはありますけど。

Q:壮絶にあっちこっちに話題が飛んだわけですが、そろそろ時間ですので最後に一言いただけますでしょうか。

A:日本は世界のR&DだとARMは認識しておりますので、日本の強みをより強く出来る事にARMを使っていただきたいと思っております。もう1つ、ARMというIPベンダは日本の産業を助ける邪魔はしない、絶対に黒船にはならない、という事も付け加えたいと思います。否定型で言うとですね。肯定型で申しますと、日本の半導体産業の産業構造を、より活性化できるようにするビジネスを展開したいと思っております。

ということで、約9カ月前の内海氏のインタビューを遅ればせながらお届けすることが出来た。今はもう2014年も半ばに差し掛かっており、インタビューのときから若干状況も変わってきている。このあたりを今年はどのように感じておられるのか、というのは(まだスケジュールなどは明らかにされていないが)、おそらく開催される予定のARM Tech symposia 2014で確認したいと思う。