Q:そのあたり、本国から何かアナウンスなどはないんでしょうか?

A:IoT Business Unitというものが出来ておりまして、そこのMissionはまさにそれです。ですから2014年にはいくつか面白い話題を提供できるのでは、と思っています。資金も潤沢にありますので、それを使って考えられる事があるのではないかと思っています。今やらないと、厳しい事になってしまいますからね。

Q:MarketがEmergingしていく事は判るんですが、その全部が32bitなのかな? というのは個人的に凄く疑問なんです。自分でセンサとかを繋いで作っていて思うんですが、8bitでいいよね、となる(笑)。

A:そうなんですよ。なって欲しいな、とは思いますけれど、実際問題としてわかりませんね。逆に高機能化で言えば、例えばSuicaみたいなものがありますが、ああしたものは、高機能化が進んだのでウチの方に(案件が)きているんですよ。

Q:SuicaというかSecure Card一般には、それはARMの「SC300」とか「SC000のコアがJust fitしているということですよね。

A:逆に、そうしたトレンドがIoTのほかの部分でも次第に出てきていまして、今は単一機能デバイスなのが、複合化したり、多機能化することがマーケットのニーズとして起きれば、ということです。Suicaはその良い例だと思います。

最初は単純な決済機能だけだったのが、総合的なデバイスに変わってゆく訳で。SDカードもそうですよね。Wi-Fiが入ったりしているわけで。そうした事が起きればいい、と思っているんですが、どうでしょうね(笑)。ある程度誘導すればムードが作れる、ということも無い訳じゃないんですが、ただ必然がない事は起きませんしね。

Q:それは内海さんのミッションとして、日本の中にそういうムーブメントを起こせという事があるわけですね。

A:あります。重ね重ね、日本がトレンドセッターですから。ただお金は落ちてきませんけど(笑)。チップは中国とか台湾の半導体ベンダが作っちゃう(笑)。ただトレンドを作る事で、台湾とかのベンダが「しょうがない、Cortex-M0+を使ってIoTの何かを作ろう」とか「Cortex-A57使って…」といった流れを起こせるという事ではあります。

Q:台湾ベンダもCortex-A50のライセンス受けてますよね。

A:あとグラフィックスも、最近中国台湾系のベンダがみなMaliになってきました。ですのでGPU Computingの芽はでてくるかな、と思っています。

Q:中国・台湾系に関して、私の見方はとにかくPoPを使いたいのかな、と感じています。彼らはどれだけ設計期間を短くして、旬のウチに売り切るかというビジネスなので、するとHard IPとかPoPが全部用意されている、一番揺らぎのない構成で作っちゃうのが一番良い。

A:台湾のPCのReference Designと同じですよね。TATを短く、売り切り型ですね。

Q:そうなると論理設計だけではなく物理設計も、配置配線も短縮したいことになります。

A:そうです。ですからTSMCが用意しているものがあれば、それをそのまま使いたい位でしょう。

Q:ですので、台湾中国ベンダの採用は、PoPやHard IPの勝利なのかなという風に理解していますけど、どうでしょう。

A:補完という意味ではあきらかにそうです。ただ根が駄目なら多分使われないという話で、その根が悪くない事がようやくMali Graphicsでも証明されてきたという事が、最近見ていただいているところかと思います。次の課題は、そこにComputingをどう持ってくるかですね。

Q:ただHSA対応という意味では、競合製品とはあまり差がないですよね。

A:無いですね。1つ大きな差が出るとしたら、CCI-400の絵に戻るわけですが、big.LITTLE.めちゃくちゃbigみたいに出来るのは、ARMの立場としては良い所にいると思います。あとは、サーバで使ってもらいたい、というのはあります。