ビールがおいしい季節がピークを迎えています。

飲み会での注意点とは

実は筆者、お酒がほとんど飲めません。体質的に合わないのか、ひたすら頭痛がします。 そのため飲み会でも初っぱなから「黒ウーロンハイ、ハイ抜きで!」という訳のわからない注文をして場を微妙な空気にすることを繰り返しています。

しかし、僕は飲み会が嫌いではありません。ていうか、どっちかというと好きです。 料理や飲み物を囲みながらキャッキャウフフと会話を楽しむことは、特に同じ会社の人であれば共有事項が多いため、おもしろいです。
(もちろん関係性が悪くなければ)

そこで思うのですが、ほぼシラフの状態でオンオフ関係なく飲み会に出席していると、どうも「後輩や部下をがっかりさせる言動」があると思われるのです(念のために書いておきますが僕の個人体験は書きません! 自衛!)。

お酒は、味の要素を除けば、アルコールを摂取して開放感に陶酔するために存在します。 つまり、『普段は見せない自分の姿をさらす行為』に近く、その受け手が後輩や部下たちであれば、体面を保つためにも、飲み会は十分に配慮すべきコミュニケーションなのです。

尊敬される先輩や上司でありましょう。以下、注意点を書きます。

(1)長い

長い飲み会は、それだけで印象を悪くします。次の日が休みであればいいですが、後輩や部下からすれば、「お先に失礼します」は非常に口にしにくく、そう言いたいと感じた時点で強制力が発揮されているのと同じことです。

さらに別の観点でも問題があります。無尽蔵の体力があれば別ですが、寝不足や二日酔いで翌日の仕事のパフォーマンスに影響がでれば、それは真面目に仕事をしているとは言えません。

例えばアナタが普段「自己管理をちゃんとしろ」などと言っていたら、ブーメランになり、信用は失墜します。ほどほどに解散して翌日に備える先輩や上司は、オンオフ両方を大事にしていると思われます。

(2)悪口で盛り上がる

もはや人間性の問題ですが、悪口大会が始まると、同感する人以外はうんざりします。

……わかります。悪口がめちゃくちゃ楽しいことは。

しかしながら、それは感覚を共有していなければ成立しません。例えば、後輩や部下は仮に同じように思っていなくても、アナタを真っ向から否定はできません。上下関係があるからです。つまり後輩や部下が調子を合わせてくれて形としては成立していても、楽しいのは自分だけであり、後輩や部下は(じゃあ本人に言えよ)とか(この人、私のことも他で悪く言ってんのかな)などと思い、結果的にアナタ自身に対する信頼を損ねます。

悪口は否定しませんが、自分の発言の責任を考えるべきです。

(3)「つらい」を連呼する

気持ちは分かりますが、後輩や部下は目上の人には「カッコよくあってほしい」と思っています。

しかも少なからず後輩や部下は自分より年次のある人々のことを自分の未来像と重ね合わせるので、弱音や不平不満ばかり垂らされると、かなり落ち込みます。言ったとしても、長々と続けるべきではありません。早めに切り上げて「でも、がんばらないとね」など、前向きに締めるべきです。

(4)割り勘

さすがに素でやる人は少ないでしょうが、割り勘は立場が同じ人間同士がやることです。 これが先輩や上司から誘ったものであれば、目も当てられません。全面的に反省したほうがよいでしょう。

ただ逆に『全おごり』ばかりになると後輩や部下としては多少申し訳ない気持ちになるので、1,000円くらいはもらっておくのがオススメです。

(5)アホになる

飲みすぎ注意。それだけです。酒に飲まれている大人ほどみっともないものもありません。

一方、逆に、してもよいことも書きます。

(1)仕事の話

相手が例えばゆとり世代であれば「飲み会で仕事の話をするとウザがられる」といった風潮がありますが、センター・オブ・ジ・ゆとり世代の僕としては正しいとは思いません。 説教臭いことが問題なのであり、そもそも会社というつながりしかないのですから、話題として悪手であるはずがありません。自分よりも長い経験を持つ先輩や上司の仕事の話に興味を持たないのは少数派です。

ですから「あくまでプライベート」、「あくまでオフ」であることを踏まえて、楽しく、もしくは学びにつながるように話してあげてください。

(2)人を褒めること

悪口は吐いた分だけ自分の首を絞めます。一方、人を褒めることは、好影響を多く生み出します。例えばそこに褒めている本人がいなくても、その内容はだいたいいつか本人まで届きます。

「本人がいないところで言っている」という事実は、その褒め話の信ぴょう性を飛躍的に向上させます。うその褒めは要りませんが、褒めている自分も、伝えている人も、褒められた人も、みんな幸せになるので、意識してください。

(3)良い意味で仕事のキャラではない言動

程度に差はあれば、多くの人が仕事とプライベートでキャラを分けています。逆の発想で、自分の『プライベートの顔』も意識してみましょう。

「仕事上では厳格な先輩や上司が飲み会では意外とひょうきんだった」
「おちゃらけた人が熱い気持ちを語っていた」

など、『プラスの意外性』を見せられれば、後輩や部下との距離はぐっと縮まります。人柄を深く理解することは、信頼感に直結します。

以上です。
最後に、出来損ないのサラリーマンである僕から、あえて苦言を呈させてください。

年次の高いサラリーマンの人、駅でゲロをしないでください。そして、訳わからなくなってホームや車内で寝転がるのもやめてください。そんなことやっているから若い人がサラリーマンに憧れないんです。

ゆとり世代に、サラリーマンはかっこいいと、思わせてください。

※画像は本文とは関係ありません


武野光
平成2年生まれ。「TOEIC未受験」「サークル未所属」「友達の数が片手未満」といった状況から就職活動に挑み、その体験から得た教訓をつづったブログ『無能の就活。』が大きな反響に。現在はサラリーマンと兼業で作家活動を行う。著書に『凡人内定戦略』『凡人面接戦略』(中経出版)、『就活あるある ~内定する人しない人~』(主婦と生活社)など。マイナビ2016でも、マンガ『キミ! さいよー』(石原まこちん/小学館)内で、一言コラム平成ベビーの就活用語辞典掲載