じゃらんリサーチセンターはこのほど、全国1万5,413人の宿泊旅行者を対象に「じゃらん宿泊旅行調査2014」を実施した。この調査は、2013年4月~2014年3月における出張・帰省・修学旅行などを除いた国内での宿泊旅行の実態について調査したもので、今年で10回目の実施となる。
宿泊旅行者数急上昇は島根県と福島県
「延べ宿泊旅行者数の多い旅行先」上位10都道府県の顔ぶれは前年度と変わらないが、長野県以外では延べ宿泊旅行者数の増加がみられた。延べ宿泊旅行者数の増加率1位の島根県(増減率56.1%、増加数67万人)では、2013年5月出雲市の出雲大社で「本殿遷座祭」(60年ぶりの遷宮)の影響もあり、大きな伸びをみせた。
また、テレビの連続ドラマで取り上げられた福島県(増減率31.0%、増加数79万人)も舞台となった会津などで大きな伸びがあった。そのほか、増加率上位の都道府県には、富士山の世界遺産登録効果などもあったと思われる静岡県(増減率16.2%、増加数116万人)などがランクインしている。
旅行先の都道府県を決める理由になった項目においては、「特定のイベントやアクテビティに興味」1位は千葉県、「テレビや雑誌で話題」と「特定の観光地・スポットに興味」の1位は島根県、「食・特産品に興味」1位は北海道、「良い宿・ホテル」1位は群馬県、「魅力的な温泉」1位は大分県となった。
総論として、テーマパークや有名温泉地、人気グルメなど「定番」の理由で例年上位に位置する都道府県が並んでいる。また、出雲大社の遷宮のあった島根県や伊勢神社で遷宮のあった三重県など、2013年独自の話題性があった県が上位に急浮上した。
地元グルメなら高知県と広島県
「地元ならではのおいしい食べ物が多かった」ランキングでは、1位に前々年度1位の高知県(前年度12位)が返り咲いた。次いで2位は「広島焼き・お好み焼き」と「牡蠣・焼き牡蠣・牡蠣料理」がバランスよく支持を集めた広島県となった。3位は同票で北海道・香川県となり、北海道では「海鮮・魚介類」など具体的な品目というよりジャンルを回答する割合が高かったのに対し、香川県では「讃岐うどん」とご当地の有名麺料理の固有名詞が多く挙げられた。
「魅力のある特産品や土産物が多かった」ランキングでは、1位沖縄県では「ちんすこう」、2位の京都府では「八つ橋」「漬け物」、3位北海道では「海産物」「カニ」などと各県定番の名物が挙げられて、3年連続でトップ3の順位が不動となった。
子供・若者・大人、総じて千葉県を支持
「子供が楽しめるスポットや施設・体験が多かった」ランキングでは、1位千葉県、2位沖縄県、3位和歌山県と、全国的に、テーマパーク・遊園地、水族館・動物園が数多く挙げられるのに加え、海水浴場やプールに関するコメントが目立った。また、「大人が楽しめるスポットや施設・体験が多かった」ランキングでも、東京ディズニーランドが30周年というアニバーサリー効果などもあった千葉県が、2年ぶり1位に返り咲いた。後には京都府、 沖縄県が続く結果となった。
一方、「若者が楽しめるスポットや施設・体験が多かった」では、1位千葉県、2位沖縄県、3位大阪府となり、特に大阪府は昨年話題だった「グランフロント大阪」や「あべのハルカス」に関するコメントも挙がった。