香港の朝ご飯と言えばお粥をイメージする人もいるだろうが、最近では調理に時間のかかるお粥よりも、麺やパンなどの洋食を食べる人が多いのだそう。さらに、日本同様に香港でも健康志向が高まっており、昔ながらの油多めの中華味よりは、さっぱり味のヘルシー料理の店も増えているというのだ。そんな時勢を反映して、健康志向の人が多いというセントラル地区に登場したのが「Namkee H」である。

具材はとってもヘルシーだが、このボリュームである!!

朝から利用できるヘルシーヌードル店

「Namkee H」はライスヌードルのチェーン店「南記粉麺(NAM KEE SPRINGROLL NOODLE)」から、2012年9月にオープンした健康志向のヌードル店である。店に入ると目に飛びこんでくるのが、ナチュラル感のあるやさしい緑色。全体的に明るくモダンな内装でおしゃれな喫茶店のような印象を受ける。とはいえ、真ん中のカウンター席には各席にipadがあるので、ひとりでも飽きずに麺をすすれる。

店名「Namkee h」の"h"はヘルシー・ホープ・ハッピーのトリプルミーニング

自分好みの一品が作れるヘルシーランチ

ブレックファストメニューは、ポークリブスープベースのスープのセットなどで25香港ドル(約330円)から用意。昼時には地元の人が列をなすという人気のランチセットは、前菜、スープと麺とトッピング、飲み物をそれぞれ複数メニューから選択でき、69香港ドル(約910円)というセットで提供している。

前菜は山芋のコロッケなど5種から、スープはマレーシア風・タイ風・キノコ・トマト・オリジナルの5種から、麺は米麺・平麺・うどん・そばも選べる(各メニューにそれぞれのおすすめ麺表記もあり)。さらに、トッピングもメニューごとの3種からひとつを指定する(オプションで魚肉団子・春巻き・湯葉・エノキなど、約20種から好みの品を選ぶことも可能。オプションは8香港ドル(約110円))。飲み物は豆乳・季節の飲み物の2種から、とかなりのバリエーションである。こんなに選択肢があると迷ってしまいそうだが、具材は全てイラスト入りで英語メニューなのでご安心を。

メニューはこんな感じ。イラストを見ながら自分好みの一品を作ろう!

今回のオーダーは、トマトスープに人気のポルチーニ餃子をのせ、オプションでシイタケをトッピング。前菜の山芋のコロッケに豆乳までついて、ヘルシーだけどダイエットはあきらめるしかないほどの量の多さなのである。

スープで人気なのがリコピン豊富なトマトスープ。ちなみに香港では近年、マカロニのトマトスープがブームになるなどトマトスープが人気のようで、インスタントラーメンにもトマトを入れるほどだとか。米麺は日本のラーメンのようなコシはないので、食べる時は引っ張りすぎないよう注意が必要だ。おすすめトッピングのポルチー二餃子は、豚肉も入っているが野菜餃子のように野菜がたっぷり入っているので、ポルチーニ茸のほのかな香りが主張しすぎずどのスープでも合いそうだ。

筆者がチョイスしたランチ例。豆乳は香港では珍しく無糖&薄めで、臭みがなく飲みやすい

インドのラクサやベトナムのフォーも仲間入り

各テーブルに置かれた薬味は、セロリや香菜などが入った薬味、自家製辛味噌、ラー油の3種

ランチセット以外にも通常メニューには、東南アジアで人気の麺料理ラクサやベトナムのフォーなど、とにかく様々な麺料理が楽しめる。バリエーションだけでなく、料理の内容にも注目だ。ラクサには通常エビの皮を使うところポルチーニ茸を使ったり、魚のすり身にはシソの葉を入れたりなど、飽きのこない野菜中心のメニューを試行錯誤しているそうだ。しかも各メニューには、"h"は化学調味料なし、"v"はベジタリアン、"b"はニンニクとタマネギなしのマークがあるなどいたれりつくせり。ベジタリアンでなくとも、グルメな街での疲れた胃にはうれしいかぎりなのだ。

※1香港ドル=13.2円で換算。記事中の価格・情報は2014年6月取材時のもの