エアバスは現在、A350-900が型式証明取得に向けた最終段階となる路線実証飛行テスト実施している。この路線実証飛行テストは、航空会社による実際の商業飛行に向けたA350 XWBの運用性を実証するためのもので、高高度での飛行性能や自動着陸テスト、空港でのターンアラウンド、ハンドリングサービスなどをチェックする。乗客を乗せた飛行テストも含めて世界の主要14空港へ飛来し、北極を通過する路線での飛行も実施する。
初号機の引き渡しは今年末
A350 MSN5によって実施されるこの飛行ツアーは、型式証明取得に向けた路線実証飛行テストの一環。MSN5は5機あるA350 XWBテスト機のうちの1機で、客室を装備している(ビジネス・クラスが42機、エコノミー・クラスが223機)。A350 XWBの飛行テストでは、エアバスのフライトクルーと欧州航空安全庁(EASA)のパイロットが同乗する。
今回の飛行テストは今年第3四半期に予定している型式証明取得に必要な最後の試験のひとつ。なお、カタール航空への初号機の引き渡しは今年末を予定している。
飛行ツアーは3週間にわたり実施され、すべて仏トゥールーズから出発し、4回に分けて14都市に飛来する。1回目の飛行では、北極を通過してカナダとフランクフルトに飛行。2回目はアジアの香港、シンガポールに飛来する。3回目はヨハネスブルグ、シドニーに飛行し、シドニーからオークランド、サンティアゴ、サンパウロへ、それからトゥールーズに戻る。
4回目の最終ツアーでは、トゥールーズからドーハ、パース、ドーハに戻り、そこからさらにモスクワ、ヘルシンキに飛び、トゥールーズに戻る。8月4日現在、A350 XWBの飛行テストは3回目のヨハネスブルグに到着し、初めてアフリカの地に降り立った。
3機種で構成されるA350 XWBファミリーは、276席から369席を装備する最新鋭の長距離用中型航空機。胴体幅が広く、エコノミー・クラスで18インチの幅広い座席を備え、長距離を飛行する乗客にも快適な乗り心地を提供する。また、燃費を25%削減など多くの革新技術を取り入れ、乗客の快適性や運航効率性、コスト効率性を図っている。2014年6月末時点で、世界中の38社から742機の受注を獲得している。