スウェーデンのボルボ・カー・グループはこのほど、欧州で8月に発表される新型「XC90」に、世界初となる2つの安全技術を搭載すると発表した。交差点などでの出会い頭の衝突を未然に防ぐ自動ブレーキと、道路からの逸脱に対応する「ランオフ・ロード・プロテクション」が搭載されるという。
四輪駆動の7シーターのプレミアムSUVである新型「XC90」は、8月に欧州でその全容が明かされる予定となっている。今回発表されたのは安全装備に関するもので、2つの世界初となる安全技術を含むセーフティ・パッケージが標準装備される。
うちひとつは、交差点を右折しようとする際、対向車線の直進車との衝突の危険を察知する自動ブレーキ。交通量の多い都市部の交差点などでその威力を発揮するもので、衝突を回避または衝突が避けられない場合に被害を軽減する。
もうひとつは、「ランオフ・ロード・プロテクション」と呼ばれるもので、道路からの逸脱から乗員を守る技術。道路からの逸脱による事故は非常に多く、アメリカでの交通事故死の半数は道路逸脱によるものとなっている。スウェーデンでも重傷もしくは死亡事故の3分の1が単独事故だという。
道路逸脱への対応に関する規制や基準がない中で、ボルボは独自に乗員を守る技術の開発に着手。「セーフ・ポジショニング機能」を開発した。この機能は道路逸脱の発生をいち早く検知し、車両が停止するまで運転席と助手席のシートベルトを自動的に強く巻き上げることで、乗員を適切な位置に固定し、保護する。
ボルボ・セーフティ・センターで安全担当上級技術スペシャリストを務めるロッタ・ヤコブソン氏は、「新しい安全技術を開発し投入する戦略により、2020年までに、新しいボルボ車において交通事故による死亡者や重傷者をゼロにするというわが社のビジョンを実現していきたい」と話している。