既報の通り、リンクスインターナショナルは1日、台湾Elitegroup Computer Systemsとの正規代理店契約締結を発表した。これに合わせて記者会見を開催し、8月9日から販売を開始する小型ベアボーンキット「LIVA」の新モデルを中心に概要を説明した。
会見ではまず、リンクスインターナショナル 代表取締役 川島義之氏が挨拶。「ECSはOEMやODMを主体にビジネスを行っているが、"LIVA"の拡販を機にマザーボードも含めて積極的に展開していきたい」と意気込みを語った。
「LIVA」は、CPUに「Bay Trail-M」(開発コード名)を搭載する小型ベアボーンで、W118×D70×H56mmの超コンパクトサイズの筐体を採用する。2014年4月にも日本国内で販売したが、リテール市場で好調な売り上げで、新モデルも初回出荷分の2,000台については、すでに販売店からの受注が終了するほどの人気となっているという。リンクスインターナショナルでは、今後も月間で2,000台、年間240,000台の販売を目標としている。
新モデルでは、ストレージを従来の32GB eMMCから64GB eMMCへアップグレードするほか、筐体のカラーを黒から白へと変更した。このほかの主な仕様は、プロセッサがIntel Celeron N2807(1.58GHz)、グラフィックスがIntel HD Graphics(CPU内蔵)、メモリがDDR3L 2GB。対応OSは Windows 8.1 64bit。
インタフェースは、USB 3.0×1、USB 2.0×1、HDMI×1、D-sub×1、ギガビット対応有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n対応無線LAN + Bluetooth 4.0(コンボカード)、マイク/ヘッドホンコンボジャックを備える。
LIVAのマザーボード。展示していたモデルはeMMCにSanDisk、メモリにHynixのものを採用していたが、ロットによってメーカー変わる可能性もあるという |
背面のM.2スロットは付属の無線LANカードを接続する。ほかのM.2デバイスも動作可能かもしれないが、サポート対象外とのこと |
会見にはECSでAssociate Vice Presidentを務める林宏宇氏も駆けつけた。林氏は今後のデスクトップ市場がゲーミングPCに代表されるハイエンド、ビジネスPCなどのミドルレンジ、そしてエントリー向けのローエンドに分かれていくという考えを示し、ECSはLIVAでローエンド市場を狙っていくとした。
さて、小型ベアボーンはIntelのNUCをはじめ、GIGABYTEのBRIX、ASUSのVIVO PCといった競合製品が存在するが、林氏は「小型PC(ベアボーン)は"性能"と"サイズ"、"価格"という3つのバランスをうまく取ることができれば成功できると考えている。競合製品も非常に良くできているが価格が高く、ターゲットを狭めている」と述べる。
LIVAは、CPUに加えてメモリやストレージを内蔵し、さらに無線LANアダプタも含めながらも低価格(日本国内の店頭予想価格は18,980円前後の見込み)であるという点を武器に、家庭内でもリビングに1台、寝室に1台といった形で複数台の購入も狙えるとする。
なお、林氏はLIVAのロードマップについて1年半先まで描いているという。その詳細までは明らかにされなかったが、年末にさらなる新モデルを投入することを表明した。また、Windows 8.1 with Bingの採用については「さまざまな面から検討している」とした。
マザーボード製品も展示
会場にはリンクスインターナショナルが取り扱いを予定するマザーボードもMini-ITXモデルを中心に展示された。コンシューマ向けには「Z97-DRONE」「H97-DRONE」「Z97-PK」といったモデルを用意する。投入時期や価格については現時点では未定とのこと。