独特のコシと風味のある麺にいりこだし。讃岐うどんのおいしさを手軽に楽しめる「はなまるうどん」は、実は中国でも味わえるという。その味わいは日本のものとちょっと違うようだが、どんなうどんが中国人の心をつかんでいるのか、はなまる中国店のスタッフに聞いてみた。

上海美羅城五番街店の様子

2016年度中には海外50店舗へ

同社が中国に初進出したのは2011年のこと。現地直営店のみの展開で、現在では11店舗を構えている。同社の海外店舗は今はまだ中国店のみだが、2016年度までに中国店以外も含めた海外50店舗展開を目指しているという。基本的に中国店では日本と同じセルフサービスで提供しているが、現地のニーズを反映し、客席で注文を受けるフルサービス店も展開している。

上海美羅城五番街店の外観

2人に1人は"豚骨だし"

日本との違いは味にも現れている。中国で一番人気なのは「特製酸辣牛肉うどん」で、2番人気は「特製豚骨うどん」だという。いずれも豚骨スープがベースの"豚骨だし"であり、魚介の風味がきいた"かけだし"や"つけだし"以外の味を求めるニーズもあるようだ。実際、"豚骨だし"カテゴリーの販売構成比は50を超えており、客の2人に1人は"豚骨だし"メニューをチョイスすると言う。

中国店で人気第1位の「酸辣牛肉うどん」

中国店で人気第2位の「豚骨うどん」

ちなみに、中国店ではうどん以外にも、白米やカレー丼、牛丼(温玉のせの牛丼)、いなりというご飯もののほか、納豆や卵、高菜、牛肉、肉団子などというトッピングもある。もちろん、うどんの定番とも言える天ぷらも中国店に健在で、えび天、いかげそ天、かき揚げ、野菜天3種盛りの4品を提供している。

日本人よりもちょっとだけ柔らかめを好む

また、讃岐うどんの特長である粘弾性を伴ったコシのある麺は、中国人にも受け入れられているよう。とはいえ、麺の食感に対する好みを比較すると、中国人は日本人よりも柔らかい食感を好む傾向があるようで、硬さについての受容範囲は日本人よりも狭いとも感じるそうだ。そのため、麺に関しては硬さだけが際立つことのないように注意しているという。

現在中国には、上海に9店舗と蘇州に2店舗を構えている。100%現地スタッフで、幹部候補にもなると本場の讃岐うどんを体験するために、香川県高松市にうどんツアーに行くこともあるという。中国人にも好まれる本場のうどんの味を、ぜひ現地で試してみては?

はなまるうどん中国店人気ベスト10
1位)酸辣牛肉うどん
2位)豚骨うどん
3位)牛すき焼き鍋うどん
4位)わかめ牛肉うどん
5位)花丸うどん
6位)高菜牛肉うどん
7位)牛肉うどん
8位)カレーうどん
9位)胡麻だれつけ麺
10位)温玉牛肉ぶっかけ

中国店で人気第3位の「牛すき焼き鍋うどん」

中国店で人気第4位の「わかめ牛肉うどん」

中国店で人気第5位の「花丸うどん」

中国店で人気第6位の「高菜牛肉うどん」

中国店で人気第7位の「牛肉うどん」

中国店で人気第8位の「カレーうどん」

中国店で人気第9位の「胡麻だれつけ麺」

中国店で人気第10位の「温玉牛肉ぶっかけ」

※記事中の情報は2014年7月取材時のもの。メニューは変わる可能性があります