パナソニックは7月31日、2014年度第1四半期(2014年4月1日~6月30日)の連結業績を発表した。営業利益は823億円を確保し、前年同期の642億円に対して28%の増益となるも、最終損益(「当社株主に帰属する当期純利益」)は前年同期の1,078億円から379億円へと大幅に減少した。

連結業績(米国会計原則に基づく)
2014年度第1四半期 2013年度第1四半期 前年同期比
売上高 1兆8,523億円 1兆8,245億円 102%
営業利益 823億円 642億円 128%
税引前利益 551億円 1,226億円 45%
当社株主に帰属する当期純利益 379億円 1,078億円 35%

売上高は1兆8,523億円と前年同期比で2%増加。欧州でテレビやデジタルカメラの販売減があったが、その他の地域で売上が増加したほか、円安による押し上げ効果が引き続きみられたことによる。日本国内では、消費増税後の懸念として掲げられていた需要減少が想定よりも小幅に留まった。加えて、パナホームやハウジングシステム等の住宅関連が伸長し、売上高を押し上げている。

営業利益に対しては、売上高の増加に加えて固定費圧縮によるコスト構造の改善などが大きく影響。これらが、特別経営施策の終了、事業譲渡による損失計上を大きく上回り、181億円の増益を達成した。

【左】地域別 売上高分析 【右】要因別 営業利益分析

セグメント別では、テレビやデジタルカメラなどコンシューマー向けのAV機器事業をアプライアンス部門へ移管したAVCネットワークス部門で、営業利益が前年同期の△154億円から△81億円(いずれも損失)へと大きく改善。AV機器事業を移管されたアプライアンス部門も、前年に大きく落ち込んだ中国でのエアコン販売が回復したことで増収となった。営業利益が前年同期の112億円から225億円へと倍増している。

なお、営業利益が大きく伸びた一方で、税引前利益と最終損益(当社株主に帰属する当期純利益)が前年同期より減少しているが、これは前年同期に子会社の年金制度改革を変更した一時益798億円を営業外収益に計上したことによるものだ。

【左】セグメント別・営業利益分析 【右】営業外損益等