数ある栄養素の中でも、日常で名前を見聞きすることの多いビタミンC。ありふれた栄養とあなどっていませんか。実はビタミンCは"万能"と言っても過言ではなく、そのパワーもおそらく皆さんが想像している以上。今回は、そんなビタミンCの底力と、効果的な摂取方法について解説します。
シミ・シワを防ぐ!
ビタミンCの効用の中で、最も有名なのは美肌効果ではないでしょうか。ビタミンCには黒色のメラニン色素を無色に変化させる働きがあるため、シミを改善。また、コラーゲンの生成を助けることでシワを防ぎ、皮膚のハリを保ってもくれるのです。
風邪を引きにくくなる!
ビタミンCは、活性酸素を除去し、白血球を助けることで、免疫力を増強します。
また、抗ヒスタミン作用も持つため、アレルギーを抑制する効果もあります。さらにはウイルスを不活性化することで感染症を予防・改善したり、がん細胞の増殖も抑制します。
風邪や病気を予防するためにも、積極的にビタミンCをとっていきたいですね。
ストレス知らずに!
ビタミンCは、ストレスからくるイライラや憂うつといった精神面にも効果を発揮します。
実は人間には、「副腎」というストレスに対抗する臓器があります。副腎から分泌される「副腎皮質ホルモン」が心のバランスを保ってくれるのですが、その材料の1つとなっているのがビタミンCなのです。
上手にビタミンCをとって、ストレス耐性を高めていきましょう。
必要量には個人差が
美肌効果に免疫増強、抗ストレスと大活躍のビタミンC。ただ、とり方にはいくつか注意が必要です。
ビタミンCは加熱すると壊れてしまうので、生野菜や生の果物からとるのがおすすめ。また、野菜や果物に含まれるビタミンCは置いておくだけでどんどん減ってしまいます。なるべくこまめに購入し、新鮮なうちに食べきるようにしてください。
サプリメントからとるのも有効ですが、あまりに安価なものは避けた方が無難。製造過程で栄養同士が化学反応を起こしているリスクがあるため、マルチ系よりもビタミンC単一のサプリメントがおすすめです。
ビタミンCの必要量は大きく個人差がありますが、体調や睡眠、ストレスによっても変化します。とり過ぎたとしても、過剰分は腸内を酸性に保ち、乳酸菌の増殖を促すなど、腸内環境を整えるといった役割を果たします。ビタミンCの摂取によってお腹がゆるくなることもありますが、軟便になる程度が最適量となります。
最後に1つ。ビタミンCを摂取して尿が黄色くなると、「排出されてもったいない」と思う人もいるかもしれませんが、尿の色はビタミンB2由来。きちんとビタミンCは吸収されているので大丈夫ですよ。
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筆者プロフィール : 定 真理子(じょう まりこ)
新宿溝口クリニック・チーフ栄養カウンセラー。栄養療法により不妊症を克服(現在2児の母)したのをきっかけに、分子整合栄養医学を学ぶ。美容・アンチエイジング・ダイエット・不妊対策・子育てなど、女性ならではの悩みに対応した栄養指導を行う。
著書「女性のイライラがスッキリ消える食事」
・定価: 1,400円(税別)
・発行: 株式会社マイナビ
・192ページ