日本能率協会総合研究所はこのほど、「第10回 病院の経営課題等に関する調査」の結果を公開した。それによると、2013年度の収支が赤字(「赤字」+「大幅な赤字」)となった病院は全体の31.4%で、前年度より7.6ポイント増加した。
黒字(「大幅な黒字」+「黒字」)の病院は47.7%で、前年度より11.7ポイント減少した。
DPC(厚生労働省が定めた診断群分類に基づく1日当たりの包括評価制度)医療機関群別に見ると、「DPCI・II群病院」では黒字が64.7%、赤字が17.6%と、他の病院群より収支状況は好調だった。「DPCIII群・準備病院」では黒字が48.7%、赤字が32.3%、「その他の病院」では黒字が44.7%、赤字が32.8%となった。
病院を取り巻く外部環境について聞くと、「診療報酬の改定」「高齢化の進展」「看護師不足」「(エネルギー、資材等)各種コストの高騰」「医師不足」が、前回から引き続き影響を受ける割合が高かった。また、「(医師・看護師以外の)人材不足」「地域貢献に対する要求の高まり」「地域内の機能分担と再編・統合の促進」などで、影響を受ける割合が増加傾向にあった。
BSC(バランススコアカード)の取り組み状況を見ると、「実施中(計画中含む)」は28.0%と、2004年と比べて23ポイント増加した。
同調査は、2013年8月~12月の期間に行われ、379病院から有効回答を得た。