総務省が29日に発表した2014年6月の労働力調査(速報)によると、6月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.2ポイント悪化の3.7%となり、10カ月ぶりに悪化した。一方、厚生労働省が同日発表した6月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の1.10倍と、1992年6月(1.10倍)以来22年ぶりの高水準となった。

完全失業率を男女別に見ると、男性は前月比0.1ポイント悪化の3.8%、女性は同0.1ポイント悪化の3.5%。年齢階級別に見ると、男性は「15~24歳」「35~44歳」「55~64歳」で、女性は「15~24歳」で悪化した。

完全失業者数(原数値)は前年同月比15万人(5.8%)減の245万人と、49カ月連続の減少。男女別では、男性は同15万人減の143万人、女性は同1万人減の102万人。求職理由については、「勤め先や事業の都合による離職」が同16万人減の46万人、「自発的な離職(自己都合)」は同3万人増の95万人となった。

完全失業者の対前年同月増減と完全失業率(季節調整値)の推移(出典:総務省Webサイト)

就業者数(原数値)は前年同月比56万人(0.9%)増の6,389万人と、18カ月連続で増加した。雇用者数は同46万人増の5,617万人。雇用形態別に見ると、正規の職員・従業員数は同2万人減の3,324万人、非正規は同36万人増の1,936万人となった。

就業率は(15歳以上人口に占める就業者の割合、原数値)は前年同月比0.6ポイント上昇の57.7%。このうち、15~64歳の就業率は同1.0ポイント上昇の72.9%。また、15~64歳の女性の就業率は同1.7ポイント上昇の64.0%と、前月に続いて過去最高を更新した。

一方、厚生労働省が同日発表した2014年6月の一般職業紹介状況によると、6月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の1.10倍と、1992年6月(1.10倍)に並ぶ22年ぶりの高水準となった。改善は19カ月連続。

求人、求職および求人倍率の推移(出典:厚生労働省Webサイト)

都道府県別の有効求人倍率を見ると、最も高かったのは愛知県の1.57倍、最も低かったのは沖縄県の0.68倍だった。

新規求人倍率(季節調整値)は前月比0.03ポイント上昇の1.67倍。正社員有効求人倍率(同)は前月比0.01ポイント上昇の0.68倍となった。

有効求人数(季節調整値)は前月比0.3%増の223万5,100人。有効求職者数(同)は同0.1%減の221万1,063人となった。

新規求人数(原数値)は前年同月比8.1%増の80万4,167人。産業別に見ると、医療、福祉が同15.3%増、製造業が同14.2%増、サービス業(他に分類されないもの)が同9.8%増、教育、学習支援業が同1.6%減などとなった。