映画『2つ目の窓』の初日舞台あいさつが26日、都内で行われ、キャストの村上虹郎、吉永淳、松田美由紀、渡辺真起子、村上淳と河瀬直美監督が出席した。
今年5月に開催された第67回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された本作は、同映画祭で数々の賞を受賞している河瀬監督の最新作。奄美大島の大自然を背景に、16歳の少年(虹郎)と少女(吉永)の初恋と成長を通して命の繋がりを描いた作品で、村上淳と歌手のUAの長男・虹郎が俳優デビューおよび親子共演を果たしている。
映画初出演の虹郎は「キャストもスタッフも家族だと思っている。作品を観たみんなも僕の家族になってほしい」としっかりとした口調であいさつし、吉永は劇中で歌う奄美の島唄「朝花節」を生披露し会場を沸かせた。また、「真摯に物事に向き合っていれば大丈夫だと思えたのは、みなさんの愛があったから」と撮影を振り返った河瀬監督は、同映画祭での受賞を逃すも「世界で堂々と胸を張って表現することができるキャストばかり。今までの経験を捨てさせられ、生身の生き様をえぐり出されてスクリーンの中を生きていました」とキャスト陣に労いの言葉をかけた。
また、虹郎は俳優デビューにあたり、「母のUAはものすごく反対した」と打ち明けつつ、「それだけ僕のことを考えてくれているから。撮影中からこの日を迎えるまで愛を感じてた。今日は初めて観に来てくれる」とにっこり。一方、虹郎を息子としてではなく役者として後押ししたという村上淳は、河瀬監督に「虹郎は七光りじゃなく、島の自然に負けない存在感があった」と太鼓判を押され、「久しぶりに会ったら、顔が変わっててビックリ。監督とスタッフさんたちが追い込んで役になりきらせてくれる環境を作ってくれた」と感謝し、息子の変化に「若さだからなのか、表現者だからなのか。これから歩む道で見ていきたい」と成長を見守る父親の顔を覗かせていた。