俳優・玉木宏が勝海舟を演じた映画『幕末高校生』が、26日から公開をスタートする。本作は、石原さとみ演じる教師・川辺未香子と3人の生徒が幕末にタイムスリップし、勝がその現代人と出会いながら、新たな歴史を切り拓いていくエンタテインメント新時代劇。時代を超えても人は何かのきっかけで変化する。玉木の俳優人生にもそんな過去があった。
今回の撮影に入るにあたって、「準備をしている段階では、正直役柄に不安なことも」という思いがあったと言う玉木。ところが、「ちょっと離れたところから勝海舟を見ると、いろんな側面を持っている人だということが分かります。1つの物事に対して悩んだり葛藤したりする姿がより人間らしいと感じて。偉人ではあるんですが、その人間らしさに愛着が湧きました」とイメージの内側にある魅力に触れていった。
高校卒業と同時に上京し、以来、俳優としての道を歩んできた玉木。2001年の映画『ウォーターボーイズ』で注目を集め、2003年のNHK連続テレビ小説『こころ』をきっかけに多くの人に知られる存在となった。2006年のフジテレビ系ドラマ『のだめカンタービレ』で人気を不動のものとし、2007年にはエランドール賞新人賞を受賞。毎年大作に出続けるなど、映画・ドラマ界には欠かせない役者の一人と言える。
本作でもテーマとなっている”変化”については「作品や人との出会い」と答え、「最初は自分のことしか考えていなかったと思います。有名になりたいとか」とデビュー当時を振り返る。ところが、役者としての経験を積んでいくことが彼自身の中に”変化”をもたらした。「途中からそうでなくなるというか。やるべきことはそこじゃないと。作品は一人で作るものじゃないですし、みんなで”共演”という形でつくり上げるもの。主演でもそうじゃなくても、台本に描かれている以上、その作品にとっては必要な役なんですよね」
「みんなで作るんだという意識を持ってからは変わりましたね。役者という仕事が楽しくもなったし、楽にもなりました」と笑顔を見せる玉木。肝心の日本史は「どうしても暗記するジャンルだと思ってしまって、暗記をしても何も世界が広がらないんじゃないかと」と苦手な教科だったそうで、「『幕末高校生』のような作品に出合っていたら、変わっていたかもしれませんね(笑)」と青春時代を懐かしんでいた。
■プロフィール
玉木宏
1980年1月14日愛知県生まれ。2001年の映画『ウォーターボーイズ』で注目を集め、2003年のNHK連続テレビ小説『こころ』に出演。2004年の映画『雨鱒の川 -初恋のある場所-』で映画初主演を務める。2006年のフジテレビ系ドラマ『のだめカンタービレ』で人気を不動のものとし、2007年にはエランドール賞新人賞を受賞。現在、映画『神様はバリにいる』の公開を控えている。