ネスレ日本は23日、コーヒー関連の業界団体である全日本コーヒー公正取引協議会、一般社団法人全日本コーヒー協会、日本インスタントコーヒー協会、日本珈琲輸入協会を退会すると発表した。

引き金となったのは、2010年発売の同社製品「ネスカフェ 香味焙煎」と2013年9月発売の「ネスカフェ」(ソリュブルコーヒー)。これらの製品には微粉砕した焙煎コーヒー豆を同社独自のコーヒー抽出液と合わせて乾燥し、ソリュブルコーヒーの粉の中に封じ込める製法を採用。公正競争規約の「インスタントコーヒー」定義に該当しないことから、食品関連法規を遵守して「名称: レギュラーソリュブルコーヒー」と表記しているという。

しかし、2010年から全日本コーヒー公正取引協議会において、規約の定義や改定について議論が行われ、その結果「レギュラーソリュブルコーヒー」という名称の使用を認めず、広告表現としての使用も不当表示とする公正競争規約改訂案が採択されたとのこと。

これにより、同社は全日本コーヒー公正取引協議会を退会し、食品関連法規を順守して「名称: レギュラーソリュブルコーヒー」とこれまで通り表記していくとしている。あわせて、コーヒー関連業界団体の一般社団法人全日本コーヒー協会、日本インスタントコーヒー協会、日本珈琲輸入協会も退会すると発表した。

ネスレ日本は採択内容について、「特定企業の経済活動を恣意的に阻害するものであり、ひいては、現在及び将来のコーヒー業界全体の革新性を奪うものと受け止めており、大変残念です」とコメントしている。