日本ギガバイトとCFD販売は7月19日、秋葉原のツクモパソコン本店で「GIGABYTE 9シリーズ超耐久ゲーミングマザー徹底解説 & OCに挑戦」のイベントを開催した。
まずはじめに、日本ギガバイト テクニカルマーケティングの岡田宇弘氏が、現在のGIGABYTE 9シリーズマザーボードのラインナップを紹介。
現在のIntel 9シリーズ製品はゲーマー用の「G1 Gaming」、オーバークロッカー用の「Overcloking」、高信頼の「Black Edition」と超耐久でおなじみの「Ultra Durable」の4シリーズで構成されている。
日本でのIntel 9チップセット製品の構成図。大きく分けてGaming、OverClocking、Blackの特色を強く打ち出している製品と一般的な超耐久性を重視した製品の4ラインナップから構成されている。日本ギガバイトは「超耐久」をキャッチフレーズにしているので、世界とは製品構成がやや異なるという |
Gamingシリーズは現在10製品、液冷やSLI/CROSSFIREの対応等で豊富なラインナップとなっている |
Black Editionは3製品。事前に高温環境下での168時間通電テストに合格した製品だけが出荷される |
また、9シリーズマザーボードから新たにラインナップに加わったBlack Editionは、7日間(168時間)の通電テストをすべての個体で実施しており、テストをクリアしたものだけが出荷される。製品には製造部門副社長のサイン付証明書が添付される。さらに専用サイトからメンバーズクラブの登録を行うとマザーボードの保証期間が5年ときわめて長期になるという。
ストレステストを連続一週間行い、マザーボードの品質を保証。製造部門副社長サイン入りの証明書が同封される |
専用サイトで登録を行うことで製品保証が5年の長期保証となる。今ならComputex TAIPEI 2015の無料招待の抽選をおこなっているとのこと |
■「Black Edition」のテストに関するレポートはこちら
【レポート】COMPUTEX TAIPEI 2014 - GIGABYTEの台湾工場で"超高品質"な「BLACK EDITION」シリーズの秘密に迫る
EasyTuneの最新バージョンでPentium G3258を4.6Ghz動作に!
製品紹介に続き、GIGABYTEのオーバークロックユーティリティ「EasyTune」とPentium20周年記念モデルこと「Pentium G3258」を使ったオーバークロックのデモも行われた。
「Pentium G3258」は、安価なエントリー向けのプロセッサながら、倍率ロックなしのオーバークロック対応CPUとなっている。ただ、定格3.2GHz駆動で駆動する製品のクロックを4.6GHzまで引き上げるにはBIOS設定が一般に必要となり、なかなか難しい。
10,000円以下で買えるPentium G3258は、低価格ながらオーバークロック対応のモデルで、ほかのオーバークロック対応モデルよりもだんぜん安くてお手頃。GIGABYTEのテストでは水冷で5Ghz、極冷では6.4Ghzまで動作したとのことだ |
今回のテスト環境。使用するマザーボードはZ97-UD3H-BK。Black Editionモデルの中でも最もお手頃なモデルだ。後述するBRIX Gamingの展示もあって、グラフィックスにはGeForce GTX 760を採用したという |
EasyTuneは、Windows上から簡単にオーバークロック設定ができるツール。7月16日に公開された最新バージョンでは、Pentium G3258用のプロファイルが追加され、簡単な操作によりツール側で最適な数値を設定してくれる。オーバークロックに慣れていない初心者でも簡単に体験することができる。
オーバークロックの実演ということだったが、すでにEasyTuneにより4.6GHzまでオーバークロックした状態のシステムを仕様。オーバークロックの設定に関しては、世界的なオーバークロッカーとして知られるHiCookie氏のノウハウが入っているという |
CPU-Zの画面。たしかに倍率46倍の4.6GHzで動作している |
デモでは4.6GHzでSuper PIの1677万ケタ計算が完走し、オーバークロックが比較的容易に行えることを示した一方で、完走するか微妙といいつつ実行したCineBenchは完走やや手前でブルースクリーン発生となってしまった。しかし、すぐに再起動しているのでケース内を含めた冷却強化で実用になるかもという期待を持たせてくれるデモであった。
「もしかしたら落ちるかも」と言いつつ、CineBenchを動かし、このぐらいまでは演算できていたが…… |
その後の説明中「あ!」っという声が聞こえたので、テスト環境を見るとクラッシュしていた。筐体内の冷却を強化すればCineBenchも完走しそうな状況だった |
このほか、GIGABYTEのオーバークロックに対する取り組みとして、OC時で故障しても保障対象となる(ステッカー貼り付け製品のみ)やUltra Durableという独自の品質設計をベースとしていることをアピールした。さらにGIGABYTEは世界最高のRMAセンターを世界中に展開しており、日本にも台湾から派遣された技術者が常駐して対応しているとの事だ。
オーバークロックを支えているのがGIGABYTEの設計で、2oz銅箔基板を含めたUltraDurableという独自の品質基準が他製品でも使われている |
たとえば2oz銅箔だと、電源インピーダンスも小さくなり、基板を通じての放熱性向上も期待できる |
未発売製品を2つ紹介
さらにイベントでは、COMPUTEX TAIPEI 2014で公開された日本未投入の製品も紹介された。1つは8月に発売が予定されているBRIX Gamingだ。Mini-ITXよりも小さなサイズながら、デスクトップ向けGPUであるNVIDIA GeForce GTX 760搭載でゲーム用途もこなすパフォーマンスがある。販売価格は10万円を切りそうだ。
Computex TAIPEI 2014で発表されたBRIX Gaming。モバイル向けのCore i5プロセッサとデスクトップ向けのGeForce GTX 760を搭載して、この大きさながらゲーム用途に対応する。最近はMini-ITXマザーを使ったゲーミングPCもあるが、それよりもさらに小さい |
■「BRIX Gaming」に関するレポートはこちら
【レポート】COMPUTEX TAIPEI 2014 - GIGABYTEブース、"緑"のGeForce搭載BRIX Gamingや超豪華な水冷3-way SLIキットなど
もう1つは日本発売未定のOverClockマザー「Z97X-SOC FORCE LN2」で、CPUソケット周りに穴がなく、一般的なCPUクーラーが取りつけられない「極冷専用マザー」だ。COMPUTEX TAIPEI 2014で行われた発表会では、メモリクロックのワールドレコード更新を達成した(動作クロック 4.5GHz、DDR3-4500、ベースクロック2250MHz)。
今回のプレゼンを担当した日本ギガバイト テクニカルマーケティングの岡田宇弘氏 |
極冷専用マザーボード「Z97X-SOC FORCE LN2」。ボードの左下にUSBコネクタがあるのもデータ取りが楽になるようにオーバークロッカーの声に応えている |
極冷オーバークロッカーの意見を取り入れ、前面にもUSBコネクタがあったり、メモリスロットも一組2本しかないなど、かなり異色な製品となっている。
GA-Z97X-SOC Force LN2は限定生産モデルで、総生産枚数はかなり少なそうだ。COMPUTEX TAIPEI 2014での取材では、日本国内での販売も検討しているという。
■「Z97X-SOC Force LN2」に関するレポートはこちら
【レポート】COMPUTEX TAIPEI 2014 - GIGABYTE、メモリOCに特化したマザーボード「GA-Z97X-SOC Force LN2」発表