「いずれくるであろう未来の話」について
当日は、前半のトークセッションが少し盛り上がりすぎたため、最後のテーマである「いずれくるであろう未来の話」については割愛されてしまった。しかし、福岡氏が「詳しくは懇親会でお話しします」としてくれたため、筆者はこのテーマについて登壇者一人ひとりに考えを話してもらった。
STANDARD UIデザイナー 鈴木健一氏 |
「カーソル操作からタッチパッドへ、デバイスの入力がどんどんわかりやすく、簡単になってきています。カード型のインタフェースを持ったスマホアプリなどもあり、入力作業の簡素化は、今後も急速に進んでいくと思われます。またAmazonのFire Phoneのような閲覧者をカメラでセンシングして入力方法として使うデバイスも登場しています。入力にはユーザーが意識しなくても、時間や場所、文脈、過去ログといった膨大な情報量がつながっています。そう考えると、「触るだけ」どころか「見るだけ」、さらには「何もしないでも」操作できるサイトが出現することも考えられるでしょう。そうなったとき、Webサイトは一体どんな形をしているんでしょうか?これからもWebデザインは、進化しつづけることでしょう」(福岡氏)
「今までは、PCサイトありきで考えていましたが、近頃の閲覧環境の多様化やスマホユーザーの増加を見ると、もはやPCサイトがなくても成立する企画もあり得る状況となりました。今後は案件の特性やターゲットユーザーを踏まえ、臨機応変な提案力が求められてくるかと思います。特に、自分も含め、業界歴が長い人間は、固定概念を捨てる勇気も必要なのかなと思います」(戸塚氏)
「今までは紙からWebというのが、クリエイティブの主流を占めていましたが、tha ltd.の阿部さんのようにWebクリエイターだった人が雑誌「ギンザ(GINZA)」のアートディレクターに起用されるなど、Webから紙への流れが生まれてきたのかなと感じています。いまWebの重要性がとても高まってきているので、これからはよりWebを起点としたクリエイティブの流れができていくのではないでしょうか」(冨田氏)
「Googleスマートウォッチ「Android Wear」の最新UIが公開されました。これからはPCモニタの1/10ほどの小さい画面のUI設計が求められる時代になる。しかも、インプットする方法としてタッチパッド以外に、音声入力が求められるケースも増えてくるでしょう。そうなった時の、ユーザーの行動(この場合は発声)を促すデザインとして、どんなものが最適なのか?こういったことをデザイナーは考えていく必要があるんじゃないかと感じています」(鈴木氏)
なんとなく感覚的にはわかっていたものの、こうやって今のWebデザイントレンドを、過去の変遷から時系列で解説してもらうことで、気づきを得た参加者も多かったはず。デザインの幅が広がったという人もいるだろうが、クライアントに対してデザインをプレゼンできるノウハウや知識を得られたという人のほうが多かったのではないだろうか。
Creator’s Career Lounge(CCL)webは、今後もWEBクリエイター向けの勉強会を開催していく。是非、興味のある方はサイトを確認して欲しい。