国民生活センターはこのほど、携帯電話の紛失・盗難に関する相談が複数寄せられていることを明らかにした。2013年度から、その件数が増加しているという。
スマートフォンや多機能携帯電話は、決済機能やスケジュール、電話帳などの情報、カメラ等のさまざまな機能が充実し、さらにクラウド機能を活用すれば情報を一元的に処理することが可能となっている。単なる「電話機」としてだけ使うだけではなく、大切なデータを大量に保存して使っているケースが多いため、携帯電話をなくした時に消費者が受けるリスクは大きい。
下記に同センターに寄せられた相談内容の一部を紹介する。
「なくした携帯電話が不正に利用され、高額請求を受けた」等の金銭的被害を伴う相談では、海外旅行先で携帯電話を盗まれたケースが報告されている。端末代金は海外旅行保険で補償されたものの、電話を不正利用されていたためその料金35万円を請求されたという。
また「紛失・盗難時に回線を止めた場合の利用料等の請求に納得できない」という声も多く寄せられている。60代の男性は、スマートフォンを紛失後、携帯電話会社に連絡をして回線を停止。「通信料はかからない」と聞いていたが、2年後、紛失したスマートフォンの請求金額を確認すると、基本料だけでなく、パケット定額の料金も請求されていた。
「紛失・盗難時に利用できるはずの補償サービスが利用できない」といった相談内容も多い。補償サービスに加入して4年後に、携帯電話を紛失した時には「補償期間はすでに切れている」とサービスが受けられなかった という相談も寄せられている。相談者の60代の女性は、補償サービス期間があるという説明は受けていなかったという。
その他、なくした携帯電話内の情報流出など、セキュリティー面に関する相談内容も多く見られる。
同センターは、紛失・盗難時には携帯電話の紛失・盗難時に利用できるサービスの手続き方法、連絡先等を事前に確認しておき、迅速に行動することが必要だと呼びかけている。遠隔ロックサービス、通信回線の利用手続き、警察署や関係事業者への届け出などがそれに当たる。
また、日ごろから、携帯電話端末のロック機能等を活用すること、携帯電話をなくした際に利用できるサービスや機能、端末補償サービス内容を確認し、必要に応じて加入、登録しておくことも大切だという。合わせて、携帯電話端末内に入れてあるデータのバックアップを取っておくこと、紛失後に新たに携帯電話を購入する際は、携帯電話会社等に届けられていないかを確認することも必要である、としている。
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