スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ち、様々な部品や技術が搭載されています。そんなスマートフォンのカタログを見たときに、専門用語 のオンパレード……と思ったことはないでしょうか。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「連写機能」についてです。
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日進月歩のスマートフォンですが、ハードウェアとしては部品のコモディティ化(汎用品化)が指摘されています。確かに、同時期に発表されたAndroid端末のCPUは同じ型番/スペックであることが多く、処理性能の面では差がつきにくくなっています。そこで端末メーカーは差別化の1つの手段として、「カメラ」の機能強化に注力しています。
シャッターボタンを押している間だけ続けて撮影できる「連写機能」は、カメラ関連機能のなかでも比較的新しいフィーチャーです。使いみちは大きく分けて2つ、動きの速い被写体を撮るときと、少しでもいい瞬間を残したいときです。動きの速い動物を被写体にするとき、徒競走でゴールする決定的瞬間を残したいとき、連写機能が大いに役立ちます。
Androidスマートフォンの場合、連写機能はAndroid OSのカメラAPIとして提供されていますから、そのAPIを利用できるAndroid OSを搭載した端末と連写機能搭載アプリを揃えれば、連写撮影が可能になります。次期バージョンの「Android L」では、機能強化と処理の最適化を図った新API「Camera 2 API」により、800万画素の静止画を毎秒8コマで撮影(Nexus 5の場合)することが可能になりました。
しかし、連写機能はイメージセンサーとの連携などハードウェアとの密接なつながりがあるため、販売されている端末はメーカー独自の作り込みが行われています。たとえば、ソニーモバイルの2014年夏モデル「Xperia A2」は、秒間最大10枚でメモリ容量が許すかぎり連続撮影が可能です(「速度優先連写」設定時)。シャッターを押す前後1秒も含め連写できる「タイムシフト連写」も用意するなど、Android OS標準では提供されていない機能もあります。ワンショットで30枚の連写を行う「Galaxy S5」のように、メーカーごとに工夫を凝らしている機能でもあり、目的に応じて選びたいものです。