日本法人トリップアドバイザーは、前職から次の職場勤務の休暇期間に宿泊を含む「転職旅行」の実態を調査し、その結果を公表している。
旅行費用は1人当たり12万2,000円
調査は4月25日~27日にかけて、全国の世帯年収400万円以上の25歳~54歳の男女1,000人を対象に、インターネットを通じて実施した。調査結果によると、転職経験者のうち35%の人が転職旅行に行ったことがあると回答している。2013年の年間転職者数は286万人(総務省統計局の労働力調査より)であることを考えると、年間およそ100万人が転職に伴い旅行をしていることになる。
「転職旅行」に行った人に旅の内訳を聞いたところ、国内旅行が56%と海外旅行が44%とおおよそ半々で、平均宿泊数は4.8泊(国内旅行2.7泊、海外旅行7.4泊)、旅行費用は1人当たり12万2,000円(国内旅行6万2,000円、海外旅行19万8,000円)ということが分かった。
旅の目的は「リフレッシュ」をあげる人が最も多く、続いて「自分へのご褒美」「非日常を体験」「ずっとしたかったことを実現」「自分磨き」などがあがった。「転職旅行」体験者は、99%が「行ってよかった」と回答しており、その理由としては「気持ちが切り替えられた」が最も多く、「その後まとまった休みが取れなかった」が続いた。
今回の調査等をもとに「転職旅行」の市場規模を試算したところ、同行者も含めた市場規模は1,290億円(※)と試算された。これは、新婚旅行の2,550億円よりは少ないものの、卒業旅行の550億円を上回る旅行市場であり、「転職旅行」は旅行業界において大きな市場であると言える。
新旧の職場に配慮してこっそり旅行
一方で、転職旅行経験者の84%の人が転職旅行に行く際に「気を使った」と回答しており、旅行中も70%の人が「必要以上に周囲に伝えないように配慮した」、9%が「できるだけ誰にも伝えずにいた」と回答している。前後の双方の職場に配慮しつつ旅をしている姿もうかがわれ、転職旅行に対して若干の後ろめたさを感じる人もいることが明らかになった。
また、同社は「転職旅行」ポータルサイトを開設し、「転職旅行」のメリットやおすすめの行き先などを紹介している。
※年間の婚姻者数を132万人(2011年、厚労省調べ)、年間転職者数は286万人(2013年、統計局労働調査)、年間の大学・短大・高専・専修学校の卒業者数は85万人(2013年、厚労省調べ)として計算。転職旅行の市場規模の計算式は、286万人(年間の転職者数)×55%(世帯年収400万円以上の出現率)×79.1%(転職時に休暇を取れた人)×44.8%(転職旅行経験率)×1.9(本調査による平均同伴人数)×12万2,000円(本調査による平均費用)