英国のジャガー・ランドローバーはこのほど、新開発パワーユニット「INGENIUM(インジニウム)」の概要を発表した。ターボ付ディーゼルとガソリンがあり、効率性とパフォーマンスを兼ね備えているという。

新パワーユニット「インジニウム」

このエンジンはコンパクト、軽量、低排ガスを特徴とし、効率性とパフォーマンスを兼ね備えているという。後輪駆動、四輪駆動をはじめとするさまざまなレイアウトに対応でき、マニュアルトランスミッション、オートマチックトランスミッション、さらに電動ハイブリッドにも対応できるように設計されている。

ディーゼルとガソリンがラインアップされるが、どちらも同社が得意とするアルミ技術により、きわめて強度が高く、かつ軽量なアルミブロックが採用されている。ボア、ストローク、シリンダースペース、500ccのシリンダー容量を共通にしており、高い柔軟性がある。将来の法的要件や競合要件を満たし、さらなる小型化あるいは大型化されたエンジンの効率的な開発も可能になるという。

効率とパフォーマンスを高めるために、摩擦やパワーロスの低減に力が注がれており、カムとバランサーシャフトにはローラーベアリングを採用。オイルポンプと冷却水ポンプはいずれもコンピュータ制御の可変タイプとなっている。軽量化にも取り組み、同等の現行エンジンと比較して最大で80kgもの軽量化に成功している。

同社のパワートレイン・エンジニアリング担当ディレクター、ロン・リー氏によれば、このエンジンは白紙から開発され、設計条件に影響を与える可能性のある既存の生産設備や、以前から引き継いで活用すべきエンジン・アーキテクチャ、改修すべき既存の工場もなかったため、いっさいのエンジニアリング上の妥協をすることなく開発できたという。