日本経済研究センターは15日、2014年5月の世界景気インデックス(景気指数)は前月比0.4ポイント悪化のマイナス2.8となったと発表した。指数で表す天気は13カ月連続で「雨」だった。
地域・国別に見ると、アジアは2009年7月以来の「嵐」。中国やNIEsで指数が悪化したことなどが影響した。BRICsも6カ月連続の「嵐」となった。
中国は3カ月連続の「嵐」。5月の輸入は市場予想を下回り、前年比1.6%減とマイナスに転じた。財別に見た場合、燃料を除く原材料は同5.9%減と大幅に減少したほか、製造品も同3.3%減と3カ月連続で減少し、内需の弱さを反映した。
NIEsは「雨」。5月の香港の小売売上高は前年比4.7%減と4カ月連続で減少した。これは習近平政権が打ち出した「贅沢禁止令」の影響で、本土から訪れる中国人の消費が高級品から日用品に移ったことが影響しているという。韓国の鉱工業生産は同2.1%減と4カ月ぶりの減少。シンガポールの鉱工業生産は同2.5%減と11カ月ぶりの減少。また、台湾の輸入は同2.3%減と4カ月ぶりに減少した。
米国は「曇り」。鉱工業生産指数は前月比0.6%増と2カ月ぶりに増加するなど、天候不順からの緩やかな回復が続いている。
日本は「曇り」。5月の小売業販売額は前年比0.4%減となったものの、マイナス幅は4月より縮小し、消費増税の反動減で落ち込んだ前月から回復基調にある。一方、輸入は前年比3.5%減と弱い動きが続いている。