独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は16日、5月20日に発表した「サイバーレスキュー隊(J-CRAT)」を正式に発足した。

攻撃を検知できず潜伏被害を受けている組織、および、ウイルス感染などセキュリティインシデントの状況や深刻度が認識できずにいる組織に対し、攻撃および被害の把握と深刻度の助言などを行う。

2011年に民間企業へのサイバー攻撃が表面化したことを受け、IPAは同年10月に特別相談窓口を設置し、具体的支援が必要と判断した29組織に対し支援した。「サイバーレスキュー隊」はこの実績を踏まえて発足。攻撃に気付いた組織に対する被害拡大と再発の抑止・低減、標的型攻撃による諜報活動などの遮断を活動の中心とする。

具体的な支援対象組織は下記の通り。初年度は約30組織への支援を見込む。

  • 独立行政法人
  • 地方独立行政法人
  • 国と関係の深い業界等の団体
  • 民間企業(標的型サイバー攻撃 特別相談窓口で受け付け、状況等から対応が必要と判断された場合)

サイバーレスキュー隊の支援で期待される効果は、セキュリティインシデントに対する速やかな対応、標的型サイバー攻撃への対策力の向上、人材の育成、標的型サイバー攻撃の連鎖の解明と遮断による被害の低減など。