映画『青鬼 -アオオニ-』の公式Twitterで7,000リツイートを超す反響を呼んだ"青鬼フィギュア"の制作秘話が、スタッフへの取材により明らかになった。

映画『青鬼』で主演を務めた入山杏奈(左)と3Dプリンターで制作された青鬼フィギュア

今月5日から公開をスタートし、当初の9館から19日以降は42館での拡大上映が決まるなど"青鬼旋風"を巻き起こしている本作。そのヒットの兆しは以前からTwitterにも現れていた。4月30日付のツイート「3Dプリンターで生まれたミニ青鬼。」で約5,800リツイート、6月4日付のツイート「近日公式サイトリニューアルOpen。そして青鬼ビジュアル解禁。ご期待下さい」で約7,200リツイートを記録。それぞれ、3Dプリンターで制作された"青鬼フィギュア"の写真付きツイートで、宣伝担当も「ここまでの反響とは」と驚く。このフィギュアは一体なんのために制作されたのか。

制作したのは、本作でCGを担当し、これまで『DEATH NOTE』(2006年)、『GANTZ PERFECT ANSWER』(2011年)、『バイオハザード ダムネーション』(2012年)などを手掛けたことでも知られるデジタル・フロンティア。取材をしたところ、使用目的は「実際にカメラに写った際にどのように見えるのかなどの確認のため」だった。つまり、撮影現場での目印や参考用、陰影の確認など。劇中で主人公たちを脅かす青鬼はCGであるため、出演者や撮影スタッフにとって重要なアイテムだったことがうかがえる。フィギュアは計2体、2日をかけて制作された。

おおまかな工程は以下のとおり。まず、デザイナーが作った3Dモデルを分割してプリンターで立体出力する。出力可能なサイズが限られているため、パーツごとに出力。不要な部分を除去し、溝を埋め、ヤスリを掛ける。全てのパーツを接合後、積層が目立たぬよう表面処理が施されている。

メイキング映像では、そのフィギュアが撮影現場で実際に使われている場面が確認できる。劇中の大迫力CGとは違い、フィギュアは小サイズ。スタッフがフィギュアを掲げながらカメラ前を横切る場面では周囲で笑いが起こるなど、撮影現場の雰囲気を和やかにしてくれる存在でもあった。

ちなみに、2体のうち1体は撮影の打ち上げの際に行われたじゃんけん大会の景品になり、タケシ役の尾関陸が受け取ったのだという。撮影を終えた今、残りの1体は活躍の場がない状態だが、プレゼントの可能性は「現状、考えておりません」とのことで、「パート2があればまた撮影で使用するかもしれません。ご期待ください」とコメントを寄せている。

映画『青鬼 -アオオニ-』は、noprops(のーぷろっぷす)制作の大ヒットホラーゲームを原案に実写化したホラー作。館に閉じ込められてしまった高校生6人は脱出ルートを見つけようとするも、彼らに巨大な青い影が忍び寄る。入山は本作でスクリーンデビューし、初の主演。6人の中の1人で、自身と同名の杏奈を演じた。

(C) 2014 noprops/黒田研二/『青鬼』製作委員会