アイファイジャパンは15日、無線LAN内蔵SDカード「Eyefi Mobi カード」と連携するクラウドサービス「Eyefi クラウド」を国内で開始するにあたり、都内で記者発表会を開催した。
Eyefi クラウドは、デジタルカメラの撮影画像をEyefi Mobi カードから無線LAN経由でスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末に転送し、そこからさらにクラウドにアップロードするサービス。無料アプリ「Eyefi Mobi」をインストールしたモバイルデバイスとカードの組み合わせで画像の転送を行う。
アップロード可能な容量は無制限で、新製品のEyefi Mobi カード購入者、既存ユーザーとも90日間無料で利用できる。それ以降は年額5,000円の有料サービスとなる。なお、今回のサービス提供にともない、同社はブランド名を「Eye-Fi」から「Eyefi」に変更している。
Eyefi クラウドにあわせてパッケージを刷新した「Eyefi Mobi カード」。従来品と同じくCLASS 10対応で、価格は8GBが4,980円、16GBが6,980円、32GBが9,980円(税込) |
従来のEye-Fi Mobiカードは、デジタル機器に詳しくない人でも簡単にデジカメ画像をスマートフォンに転送できるツールとして登場した |
新しいEyefi Mobiカードの購入者だけでなく、既存のEye-Fi Mobiカードユーザーも90日間の利用が可能 |
新しいEyefi MobiアプリとEyefi クラウドでは、スマートフォンなどへの転送に加え、クラウドへの無制限のアップロードに対応。さらに専用アプリをインストールしたすべてのモバイル端末でデータが同期される |
転送されるのは、Eyefi Mobi カードに記録されたデジカメの画像や、専用アプリをインストールしたスマートフォンなどで撮影された画像で、カードの画像は撮影してすぐ、自動的にモバイル端末に転送されアップロードされる。
クラウド側にはすべてオリジナルの画像が転送され、長辺2,048px、1,280px、640pxの3種類のリサイズデータが生成される。この画像は、専用アプリをインストールしたすべての端末に自動的にダウンロードされるので、オフライン環境でもすべての画像を閲覧可能だ。
ディスク容量を圧迫しないよう、スマートフォンやタブレットなどの画面サイズに合わせて、最適なサイズの画像が自動的にダウンロードされる仕組みだが、Webブラウザ経由でオリジナル画像をダウンロードすることもできる。
専用アプリ内では、画像の確認だけでなく整理もできる。アルバムとしてまとめたり、タグ付けしたりといった操作が可能で、これらのデータはメタデータとして同期され、ほかの端末にもすぐに反映される。オリジナル画像には手を加えず、メタデータを同期するため、通信量も最小限ですみ、携帯回線での利用にも適している。
クラウド上の画像は、ユニークなURLを発行することで友人などとの共有もできる。単独画像の共有、複数画像の共有、アルバム単位での共有が可能で、プライベートな使い方だけでなく、TwitterなどのSNSへ公開することもできる。アルバムに画像を追加すると、共有した相手に通知が送られるので、最新の画像を案内する手間もかからない。
Eyefi クラウドの機能は、この「転送」「整理」「同期」「共有」という4つの機能がメインだ。複数のEyefi Mobiカードでも、スマートフォンのカメラでも、すべての画像をクラウドでまとめて、すべての端末に同期するため、画像が個別の端末に散らばることなく、一元的に管理できる。
また、発表会では今後の機能拡張についてのコメントも聞かれた。ユーザーのニーズが高まれば、より高解像度なリサイズオプション、RAWや動画ファイルの転送(現在はJPEGのみ)にも対応していく考えだ。
さらに、サードパーティ向けにEyefi クラウドのAPIを近日公開する予定。同社では、Dropboxと連携してPC上の画像をEyefiクラウドに転送したり、特定のタグをつけた写真をFlickrやFacebookにアップロードしたり、といった使い方を想定しており、Eyefi クラウドを中心にさまざまなクラウドサービスが連携する世界を目標とする。
米Eye-FiのCEOであるMatt DiMaria氏は発表会で、4月から米国で提供しているEyefi クラウドが、目標を上回る会員数を獲得して好調だと話し、「デジタルイメージングの業界をクラウドの世界に導くサービス」と強調。年額5,000円(米国では49ドル)という価格について、「(固定料金なので)使えば使うほど安くなる。ほかのサービスの容量上限や価格を見て、年額5,000円なら勝負できると考えている」と自信をのぞかせた。