イギリスのファンボロー空港に行われている第49回ファンボロー・インターナショナル・エアショー( ファンボロー国際航空ショー)にて、エアバスA330neoにロールス・ロイスのエンジン「Trent 7000」を採用することが発表された。

エアバスはA330neo初号機を2017年第4四半期に納入予定

従来モデルより燃料消費率を10%向上

6万8,000ポンドから7万2,000ポンドの推力を持つTrent 7000は、現在のA330に採用されているエンジン「Trent 700」と比較しても、性能と経済性において大きく進化した。Trent 7000は燃料消費率(SFC)を10%向上し、バイパス比を倍増、感覚騒音レベルも抑えている。

エアバス社の代表取締役兼CEO ファブリス・ブレジエ氏は、「A330neoは信頼性が高く汎用性の高いA330シリーズを進化させた後続機です。A330neoは乗客に最上級の快適さを提供しつつ燃料費を最小限にし、運営コストを抑えることを目標にする世界中の航空会社に最適の解決策を提供いたします。

A330neoには市場において大きな潜在需要があると見込んでおり、中型機市場において大きな成功を収めると自負しています。ロールス・ロイスのTrent 7000は世界に先行する経験と最新鋭の技術により、今後何十年にも渡って重要な役割を果たすであろうと考えています」とコメントしている。

Trent 7000の初のエンジン試験は2015年を予定

Trent 7000の初のエンジン試験は2015年を予定しており、2017年に型式証明を取得、2017年第4四半期のサービス開始を目指していている。エンジンデザインはロールス・ロイスが持つ設計概念と専門性に基づくもので、これは、航空宇宙およびそれ以外の事業に対して年間10億ポンドを投じて継続している研究と開発の成果という。これまでのTrentシリーズのエンジン全てがマーケットリーダー、航空機のローンチエンジンのいずれか、または両方となっている。

Trent 700は過去3年に渡ってA330新規受注の68%を占め、この先就航するA330でも同等の割合を占めている。現在、1,500基以上のTrent 700sが就航中または受注済であり、Trentエンジンシリーズにおいて最も就航数の多いエンジンとなっている。また、Trent 700は延べ3,000万時間の飛行をし、66が今日稼働している。

なお、Trent 1000エンジンの最新型であるTrent 1000-TENは、これまでに延べ33万時間の飛行を終え、最も信頼性の高い業績を残している。Trent XWBは、エアバスA350XWBに搭載され、今年後半に就航する予定。初号機への納入は完了し、現在5つの飛行試験機に搭載されている。