ポーラ化成工業はこのほど、ストレスにより肌内部に放出される神経伝達物質(神経ペプチド)である「サブスタンスP」が、肌の弾力性やくすみに影響を与える真皮線維芽細胞のコラーゲンの発現を低下させることを発見した。

「サブスタンスP」によるIII型コラーゲン発現量低下

「サブスタンスP」とは、アミノ酸11個からなるペプチドで、神経物質の1つとして種々の刺激により神経線維から放出される。皮膚においても、心理的ストレスなどにより放出されることが知られていたが、真皮に及ぼす影響についてはほとんど知られていなかった。

同社では「サブスタンスP」が真皮線維芽細胞に及ぼす影響について研究を進めた結果、真皮線維芽細胞のI型コラーゲンおよびIII型コラーゲンのmRNA発現を抑制することを、業界で初めて発見した。mRNAは伝令RNA(英語:messenger RNA)のことであり、DNAから写し取った遺伝情報に従い、タンパク質を合成する。

真皮上層部に特に多く存在し、他のコラーゲンに比べて透明度、光透過性が高いIII型コラーゲンのタンパク発現量は「サブスタンスP」を添加後、24時間で約17%も減少することが明らかとなったという。