経済産業省はこのほど、「クレジットカード決済の健全な発展に向けた研究会」(座長:舟橋哲立正大学法学部長)の中間報告書を発表した。

同研究会は、「世界で最もクレジットカードが使いやすい安心・安全な国 日本」の実現を図り、クレジットカード決済の健全な発展を目指して、課題の整理や具体的な対応策を検討するため、2014年4月に設置したもの。

日本のクレジットカード決済は、消費において幅広く浸透しつつあり、民間最終消費支出に占める決済割合は、1990年代の4%程度から現在の20%程度へ増加するなど、キャッシュレス化が進んだものの、欧米に比べてはまだ低い状況にあるという。

2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催を控え、海外からの旅行者が増えることが予想される。このような状況を踏まえ、同省は「国内外の利用者への利便性・安心の提供、国内外からの不正利用を防止する安全性の両面で世界最高水準のクレジットカード決済環境を整備することが重要」としている。

研究会での主な検討内容は、1.2020年に向けたクレジットカードの利用環境の整備(海外発行クレジットカードへの対応など外国人旅行者向けの環境整備)、2.行政・公共分野での利用拡大(地方税等のクレジットカードでの納税の拡大)、3.安心・安全への取組(IC化や情報漏洩対策、なりすまし防止、加盟店審査の強化など)、4.コスト削減や新たな施策に向けた取組などとなっている。