東急不動産の分譲するマンション「BRANZ(ブランズ)」はこのほど、「暮らしを高める機能美。」を追求したオリジナル商品企画「MEUP(ミアップ)」を開発したと発表した。居住者の声を生かしたという同商品を展開する「ブランズ溝の口レジデンス」を早速取材してきた。
「MEUP」=「自分自身を高める」
「MEUP(ミアップ)」は、「私(ME)をより高い所に(UP)」、すなわち「自分自身を高める」という意味を込めた造語。「ME」はコンセプトである"機能美"にも通じるという。「機能の高まりとともに美しく洗練される」という意味となっている。開発の目的は、居住者の声を生かしつつ、ニーズの先を見据えた商品の提供だ。様々なアンケートやインタビューなどによって得た声に独自の視点を加えて具現化している。
導入第一弾は「ブランズ溝の口レジデンス」(神奈川県川崎市)。キッチン、洗面化粧室、浴室の水回りにて展開している。第二弾以降では、収納やソフトサービスなどへの商品開発も検討しているとのこと。
シャープで機能的なキッチン
「ブランズ溝の口レジデンス」は、東急田園都市線「溝の口」駅から徒歩5分の場所にある。取材は「ブランズ溝の口レジデンス」近くのモデルルームで行われた。
まずはキッチンを見学。「多様な場に流れるような動線を。」がコンセプトとなっており、機能性とともにシャープなデザインを追求したという。オープンキッチンとフラットカウンターがリビングとの空間の一体感をもたらしているため、閉ざされた作業の場という印象はない。
シンクには水切りプレートを設置。取り付ければ作業スペースになるほか、外せば広々とシンクを使えるようになっている。下ごしらえ用の調理器具を整頓収納できるシンク下キャビネットには、引き出し手前側の取り出しやすい場所に包丁やまな板用の収納スペースを設置した。コンロ下キャビネットにはマグネット式の間仕切りポールがあり、サイズに合わせて鍋やフライパンを収納できるようになっている。
2人並んで使える洗面台も
次に、洗面化粧室を見学。コンセプトは「限られた空間を、美しく、より効率的に」だ。限られた空間で、個々のライフスタイルや好みに合わせた洗面空間を提案している。ゆったりと使える「センターボウル」と2人並んで使える「偏芯ボウル」を選択できる。
「センターボウル」は洗面ボウルが中心にあるシンメトリーなデザイン。広々とした洗面台で、落ち着きがある。一方の「偏芯ボウル」は洗面ボウルが片側に寄せてあるため、一人が洗面ボウルを使っている間、もう一人があいた部分で化粧などをできるのが特徴だ。毎朝洗面台を使う時間がバッティングしてしまう家族にもオススメという合理的なデザインとなっている。
また、今回の「ブランズ溝の口レジデンス」モデルルームの洗面化粧室には、資生堂が情報協力をしている。同社の市場情報室による化粧と美容に関する意識・実態調査をもとに、過去のブランズ購買層をベースとした使用アイテム、化粧場所、時間の使い方などのデータを分析。モデルルームでは収納のシミュレーションを行い、使用頻度の低いストックを高い位置に設置するなどの配置をしている。自分が使う場合の収納方法を想像しやすい配置になっていた。
バスカウンターも2種類用意
最後に、「癒やしの場にも、自分スタイルを。」がテーマの浴室を案内してもらった。バスカウンターは、立ったままシャワーを浴びる人向けの「スリムカウンター」と、座って浴びる人向けの「ワイドカウンター」を選択できる。立つ場合と座る場合で異なる動きを意識した収納スペースが設置されている。
収納棚の下には、スポンジやボディブラシをかけられる専用フックがあるほか、半身浴のためのミネラルウォーターやアロマキャンドルを入れて持ち運べるワイヤーバスケットも設置。様々なタイプのユーザーに対応した浴室となっている。
居住者のスタイルが多様な水回り
今回のモデルルームについて、東急不動産 住宅事業ユニット 事業戦略部 住宅企画グループ 担当部長の柘植孝行氏と同グループの大塚利津氏にお話を伺った。
今回のMEUPで、キッチン、洗面化粧台、浴室の水回りを選んだ理由を尋ねたところ、「水回りに要望が多かったこと」や、「機能が集中している場所だから」などの説明をしてくれた。水回りは特定の行為をする場所だが、居住者のスタイルは多様で注目度が高いという。
第二弾として予定されている収納に関しては、「関心率が高いことを踏まえ、本当に役立つものは何なのかを考えていきたい」とのことだ。
様々な生活形態が想定された動線や機能の説明を受けると、「自分が住むなら?」と具体的に想像することができた。今回見学した「ブランズ溝の口レジデンス」モデルルームと「ブランズ溝の口レジデンス」についての詳細は、同社Webサイトで確認できる。