朝日新聞出版は11日、朝日新書の新刊『日銀、「出口」なし! 異次元緩和の次に来る危機』を発売した。著者は東短リサーチ代表取締役社長チーフエコノミストの加藤出氏。価格は842円。

『日銀、「出口」なし! 異次元緩和の次に来る危機』表紙(出典:朝日新聞出版Webサイト)

「2年で2%の物価上昇」を目標に始まった黒田日銀総裁の異次元緩和。これまでは目標への道筋を順調に進んできたようにみえるが、2015年春の「期限」が近づくにつれ、目標達成を疑問視する声が強まっているという。同書は「最悪のシナリオは、国債暴落→長期金利の急騰」と警告。見えない出口にもがく日銀を、"No.1ウオッチャー"といわれる著者がシャープに分析している。

主な内容は、「序章 『ルビコン』を渡った日銀」「第1章 1周遅れの危ういインフレ目標」「第2章 異次元緩和策の効果」「第3章 マネタリー・シャーマンになった中央銀行総裁」「第4章 財政ドミナンスの脅威――ジンバブエの100兆ドル紙幣」などとなっている。

著者の加藤出氏は1988年4月東京短資に入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを兼務後、2013年2月より現職を務める。マネーマーケットの現場の視点から、日銀、FRB、中国人民銀行などの金融政策を分析。 著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社)などがある。