日本経済研究センターは10日、民間エコノミスト42人(機関)による景気予測をまとめた2014年7月分の「ESPフォーキャスト調査」の結果を発表した。それによると、2014年度7~9月期の実質経済成長率(前期比年率)の予測は2.65%となり、前月より0.3ポイント上昇した。
同期の実質経済成長率は、調査を開始した2013年1月以来ほぼ一貫して上方修正が続いていた。同調査では、2015年10月からの消費税率10%への引き上げを「後押しする材料と言える」と分析している。4~6月期はマイナス4.90%と予測し、前月の4.18%から下方修正した。
消費増税の影響を除いた2014年度の消費者物価上昇率予測は1.11%。5月調査までは1%以下だったが、6月調査で1.08%と1%を上回り、今月はさらに0.03ポイント上昇した。しかし、四半期別前年同期比上昇率を見ると、2014年4~6月の1.36%から7~9月は1.10%に低下し、以降2015年4~6月の1.01%まで下がり続けると予想している。
日銀が目指している2年で物価上昇率を2%にする目標については、「いいえ」(できないと思う)が32人、「はい」(できると思う)が2人、「どちらとも言えない」が7人となり、達成できないとの見方が大勢を占めた。
今後1年以内に景気の転換点(山)を迎えるリスクを尋ねたところ、「中国経済の動向」が最も多く、回答者は全体の3分の2近い27人に上った。「中国の金融バブルが破裂、2008年のリーマン・ショックの再来を危惧する向きは多い」という。