すでに7月に入り、夏のボーナスが支給されるシーズン、という人も多いだろう。メディアなどで報道されている"景気回復"の影響で、支給額が増えそうだという方もいるかもしれない。そこでマイナビニュースでは、『今夏のボーナスの使い道』に関する緊急アンケートを実施。果たしてその"意外"な結果とは…。
アンケートは、勤続2年以上の会社員の方を限定に実施。500人から有効回答を得た。
ボーナスが増えそうな人でも「アベノミクス効果」と認識している人は少数
最初の質問は、「今年の夏、あなたの会社でボーナスは支給されそうですか?」というもの。これに対しては、73.6%の人が「はい」と回答。26.4%の人が「いいえ」と回答した。
さらに、今夏にボーナスが支給される人を対象に、「昨年の夏よりも支給額が増えそうですか?」と聞いたところ、「はい」と回答したのは41.3%、「いいえ」と回答したのは58.7%。ボーナスが増えると予想している人は約4割にとどまることが分かった。メディアなどで景気回復やオリンピック招致など、日本経済の先行きは明るいと喧伝されているわりには少ないという印象だ。
一方、経団連の調査によると、大手企業の今夏のボーナスの平均妥結額は2013年夏に比べ8.8%増の88万9046円と2年連続増加している。それにもかかわらず上記のように「ボーナスが増える」と回答した人が4割にすぎないというということは、大企業に勤める一部の人を除き、多くの人が景気回復を体感していないといえるのではないだろうか。
景気回復を体感していない人が多いことは、次の設問でも明らかになった。「支給額が増えそう」と回答した人に「ボーナスアップはアベノミクス効果と思いますか?」と聞いたところ、「はい」は13.8%、「なんともいえない」は30.9%、「いいえ」は55.3%。「いいえ」と「なんともいえない」をあわせると、8割以上の人が、"アベノミクス"による景気回復を実感していない。ボーナスが増える人でも、それが確実にアベノミクス効果であると認識している人は、1割強と少数派にとどまっているのが現状なのだ。アベノミクスや"大規模金融緩和"という言葉を、最近はメディアであまり聞かなくなっているのも、こうした事情を背景にしているからかもしれない。
ボーナスの増額分、「貯蓄」に充てる人が65.8%で圧倒的多数!
「支給額が増えそう」と回答した人に、「例年、ボーナスの主な使い道は何ですか?」(複数回答)と聞いたところ、「貯蓄」が75.0%、「買い物」が39.5%、「旅行」が32.2%、「外食」が13.8%、「住宅ローンなどの繰上げ返済」が8.6%という結果となった。
続けて、「昨年に比べて増額した分は何に使いたいですか?」(複数回答)と質問したところ、「貯蓄」が65.8%を占めて圧倒的多数に。次いで「旅行」(24.3%)、「買い物」(14.5%)、外食(9.9%)、「住宅ローンなどの繰上げ返済」(4.0%)が続いた。
この2つの結果をあわせて詳細に見てみると、回答者の"貯蓄志向"がさらに鮮明に分かる。例年ボーナスを「貯蓄」にあてると回答した人のうち、90.8%の人が、ボーナス増額分を「貯蓄」にあてると回答しているのだ。貯蓄志向の高い人は、ボーナスが増えても、「やっぱり貯蓄!!」であるといえよう。
「いつでも引き出せる」普通預金、「金利の高さが魅力」の定期預金・外貨預金
多くの人がボーナスの使い道として考えている「貯蓄」に関して、「貯蓄はどのような形で行ないますか?」と質問したところ、「普通預金」が65.0%、次いで「定期預金」が52.0%、「外貨預金」が9.0%だった。
「その預金を選んだ理由をお聞かせください」との質問には、「いつでも引き出せる」と回答した人は53.0%で、普通預金を選んだ人の大半がこの理由を選んだ。一方、「金利が高い」は44.%で、外貨預金や定期預金を選んだ人がこの選択肢を選ぶ傾向が強かった。
各金融機関でもボーナスを念頭に置いた各種キャンペーンを開始
各金融機関でもこうした需要に応え、ボーナスを念頭に置いた各種キャンペーンを開始している。
ソニー銀行では、"夏の特別企画"として、「円定期特別金利」を開始。対象期間は、6月2日午前0:00~9月7日午後11:59で、対象期間中、円定期預金(期間6カ月・1年)、積み立て定期預金(1年もの)を特別金利で提供する(7月1日時点の金利、年0.20%(税引き前、税引き後0.159%))。
住信SBIネット銀行でも、ボーナス資金や定期預金の満期資金等の有効な運用先として利用できるよう「夏の"資産運用"応援特別キャンペーン」として、「円定期預金 特別金利」などを開始。「円定期預金 特別金利」の期間は6月2日~10月5日預入れ手続き完了分まで、預入期間「3カ月もの」「6カ月もの」「1年もの」の円定期預金に特別金利を適用する。特別金利は、「3カ月もの」と「6カ月もの」が年0.20%(税引き前、税引き後0.15%)、「1年もの」が年0.25%(税引き前、税引き後0.19%)となっている。
楽天銀行でも、「円定期預金 夏のボーナスキャンペーン」を実施。期間は7月31日預け入れ完了分までで、キャンペーン期間中、対象の円定期預金(3カ月・1年・3年)を預け入れた顧客に、特別金利を適用する。預入期間「3カ月もの」は年0.15%(税引き前、税引き後0.11%)、「1年もの」は年0.25%(税引き前、税引き後0.19%)、「3年もの」は年0.35%(税引き前、税引き後0.27%)。
また、セブン銀行では7月7日から8月10日まで、「みんなのATM。もうすぐ20,000台ありがとうキャンペーン」と題して、「夏の定期預金 特別金利提供」を実施。対象商品は預入期間が3カ月、6カ月の定期預金で、期間中預け入れた人を対象に0.22%(税引き前、税引き後0.175%)の特別金利が適用される。実は、セブン銀行の定期預金は、他の銀行の定期預金とは違う大きな特徴がある。一般的には100万円を定期預金として預けて10万円だけ使いたいと思っても、100万円全てをくずさなければいけない。だが、セブン銀行では、10万円を普通預金に振り替えて、残り90万円はそのまま普通預金より金利が高い定期預金として残しておくことが可能。普通預金に振り替えたお金は、ATMで引き出すことができるのだ。すぐに使わないお金を1万円から定期預金にでき、必要に応じて一部解約できる。その利便性と柔軟性を考えれば、貯蓄志向の高い人にとっては見逃せないサービスといえるだろう。
いかがだろうか。ボーナスが増えそうな人は4割と思ったほど多くなく、景気回復を実感しにくい環境であることが分かった。さらにボーナスが増える人も、その使い道は「やっぱり貯蓄」と回答した人が7割に迫ることも分かった。ぜひ当記事を参考に、"賢いボーナスの使い道"を考えていただければ幸いである。