スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ち、様々な部品や技術が搭載されています。そんなスマートフォンのカタログを見たときに、専門用語 のオンパレード……と思ったことはないでしょうか。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「メインカメラ/サブカメラ」についてです。
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近ごろのスマートフォンは、複数のカメラを内蔵しています。一般的には、タッチパネルの反対側を撮影するための「メインカメラ」(アウトカメラ)、タッチパネル側を撮影するための「サブカメラ」(インカメラ)の2台で構成され、それぞれにイメージセンサとレンズが用意されています。
メインカメラとサブカメラは、役割が異なります。メインカメラは被写体を"より美しく"撮ることを重視した設計で、発色が有利になる比較的大きめのイメージセンサが用意されています。写真の繊細さを左右する画素数も増加傾向で、ここ1年ほどで発売された端末の多くは800万~1300万、なかには2000万超という端末も登場しています。
いっぽうのサブカメラは、ビデオ通話のときに使う"自撮り"を目的として登場しました。だからタッチパネル側に操作者を向いて取り付けられており、メインカメラに比べると性能的には劣ります。画素数も100~200万程度と、メインカメラの10分の1ほどに抑えられています。
ビデオ通話であれば、その程度の画素数でじゅうぶん対応できますが、サブカメラの役割も変化しつつあります。たとえば、auの2014年春モデル「G Flex LGL23」には、メインカメラとサブカメラの映像それぞれが独立したビデオクリップとして記録される「デュアル録画/デュアルカメラ」機能が搭載されており、サブカメラの存在感が相対的に向上しています。
"自撮り"以外を目的にしたサブカメラも登場しました。Amazonのスマートフォン「Amazon Fire」に搭載されている「Dynamic Perspective」は、端末の持ち方や見る方向によって画面が立体的に感じられる機能で、タッチパネルの四隅に設置された小型/低解像度サブカメラにより実現されています。このようなセンサー的役割も、今後サブカメラに求められていくことになるでしょう。