エミレーツ航空(本社:アラブ首長国連邦・ドバイ)は、聖なる月「ラマダン」期間中に断食を行う乗客が快適に過ごせるよう、特別機内食の提供を開始した。

イフタール(断食明け)特別機内食

全クラス同様の大きなミールボックス

同社はラマダンという重要な宗教的行事の伝統と意義を尊重し、イフタール(断食明け)特別機内食を開発。断食終了直前の時刻にドバイを出発する便の乗客には、イスラム教徒がラマダン中、毎日の日没後にとる食事として、搭乗ゲートで小さなスナックボックスを配布する。機内で断食を終える乗客には、大きなミールボックスを提供。エミレーツのシェフが特別に考案した大きなミールボックスは、全クラスほぼ同様のメニューとなる。

さらに、飛行中でもイムサク(断食開始)とイフタールの時刻を正確に算定できる独自のツールを開発・運用する。業界初の試みであるこのツールは、ドバイ天文グループの協力のもとで開発され、飛行地点の経度や緯度、高度を計測し、飛行中でも極めて高い精度で正確なラマダン時間を算出できる。

例えば、イフタールは日没時の飛行機の位置に応じて決まるが、機内で日没を迎える便に搭乗する乗客には、機長からイフタールの時間を案内。このツールは、エミレーツが毎年ラマダン時に提供するラマダン時刻を掲載した小冊子を補完する目的で開発されたもので、すべての便に搭載されている。

ウムラ(サウジアラビアにあるメッカへの小巡礼)を務める多くのイスラム教徒の乗客を尊重し、メディナ便とジェッダ便を利用する断食を行わない乗客には、日の出から日没までの間に離陸する全ての便で、通常のホットミールに代えてコールドミールを提供する。