アルコール除菌 ラボ@キッチン&食卓はこのほど、4月に衛生微生物研究センターと共同で実施した「台ふきんと食卓の雑菌汚染に関する実験」についての結果を発表した。
アルコール除菌 ラボ@キッチン&食卓は、一般家庭のキッチンや食卓における衛生意識を高め、清潔なキッチンのためのアルコール除菌の実践方法を伝えていくことを目的に設立された研究所。今回は、室内干しをくり返している台ふきんの雑菌数が、時間がたつごとにどのように変化するのか調査した。
台ふきんの除菌は、1週間に1回程度の割合で、熱湯に浸したり、漂白剤を使用したりする家庭が多い。今回はそのような家庭を想定して、1週間同じ台ふきんを繰り返し使用した。
初日は清潔な台ふきんからスタート。その後、食事後を想定した食べカスなどが付着した食卓を水拭きし、水道水でもみ洗いを行う。洗ったあとの台ふきんは、梅雨時を想定した気温25℃、相対湿度75%の室内環境の中で干した。以後、食卓の水拭き、水洗い、室内干しを朝夕2回、6日間にわたって繰り返した。
その結果、2日目・3日目の台ふきんからは、100万個以上の雑菌を検出した。4日目以降になると、常に1億個以上の雑菌が繁殖していることが確認でき、7日目には18億個を検出した。
7日目の朝、繰り返し使用した台ふきんで、消毒をした清潔な食卓(菌数:検出限界以下)を水拭きしたところ、7万6,000個/10平方センチメートルの雑菌を食卓から検出した。数日間にわたり使用を繰り返した台ふきんは、食卓をきれいにするどころか、雑菌を広げてしまうことが明らかとなった。
なお、7日目の台ふきんによる水拭きで雑菌が広がってしまった食卓も、ティッシュペーパーでアルコール除菌拭きしたところ、食卓表面上の雑菌数は検出限界以下となった。
同研究所によると、食卓や調理台を拭く場合は、ティッシュペーパーやキッチンペーパーを使ったアルコール除菌拭きが衛生的であるという。また、菌が広がるのを避けるためにも、使用後の台ふきんは水洗いのまま使用せず、漂白、天日干しを行うことを提案している。台ふきん乾燥後はアルコール除菌剤をスプレーして除菌することも有効だという。