JR東海はこのほど、東海道新幹線で使用している保線作業用車両「マルチプルタイタンパー」について、改良型を導入する計画を発表した。

東海道新幹線で現在使用しているマルチプルタイタンパー

突き固め作業の様子

マルチプルタイタンパーは、枕木の下の砕石を突き固めて充填し、レールのゆがみを直す作業に使用する車両。東海道新幹線では1回(1晩)で約600~700mずつ作業を実施しており、おおむね年に1回のペースで東海道新幹線全線の作業を行っているという。

今回導入が決まった改良型は、突き固め作業ユニットに改良を加えているのが特徴。東海道新幹線では地震対策として、脱線防止ガードがレールの内側に沿って取り付けられており、これが作業の際に支障となっていた。現在はマルチプルタイタンパーによる突き固め作業の前に、支障のない位置にガードを転換する作業を行っている。改良型は、ガードを転換しなくても突き固め作業ができるように、構造に工夫を加えており、効率的な作業が可能に。万が一の脱線に備え、脱線復旧用の固定ジャッキも装備して安全性も高める。

改良型マルチプルタイタンパーは、2015年度から順次導入予定。4カ年かけて保有する10両すべてを改良型置き換える予定だ。