女性にとって、いつまでも美を保ち続けたいというのは共通の願い。ヘアーサロンやエステサロン、ネイルサロンなど美を追求する女性が集まる場所は無数に広がるが、このほど“口腔”を専門とした美容クリニックが東京都内にオープンした。
コンセプトは「美と健康の原点はお口から」。つまり、美も健康もオーラルケアからという考えのもと誕生した男性禁制の完全女性専用クリニックだ。昨今問題になっている治療器具の使い回しや滅菌問題など衛生面で気になることが多い女性にとっては、安心して清潔な環境で施術が受けられるという願ってもないクリニックとなっている。もちろん、院長をはじめとするスタッフは、一般診療の経験も豊富な歯科衛生の専門家揃い。審美歯科が中心とはいえ、虫歯などのトラブルが見つかれば併せて治療もしてくれる。そんなこれまでにない新しいスタイルの審美歯科「Pulice(プリーチェ)」を今回体験してきた。
東京中央区京橋にある同クリニックは、最寄駅は都営浅草線宝町駅から徒歩すぐ。丸の内にも近いオフィスエリアのロケーションだ。オフィスビル1階にテナントとして居を構えるクリニックは、外観はエステサロンのよう。そして実際中に入っても、女性ウケする明るくナチュラルでありながら、エレガントな内装。クリニックというより、オーラルケアのための“サロン”という表現がふさわしい。
受け付けを済ませると、まずは自己申告の問診票に記入。その後は奥のカウンセリングルームに通され、問診票をもとに医師がより踏み込んだヒアリングとカウンセリングを行ってくれる。
カウンセリングの結果、今回は取材ということもあり、主要メニューである“デンタルドックコース”と“ホワイトニングコース”のそれぞれ一部を組み合わせた施術を体験させていただくことに。
ちなみに“デンタルドックコース”とは、レントゲン撮影をはじめ口腔内写真、歯の色チェック、口臭チェック、歯周病検査など12項目を含むコース。各種診断と口腔ケアを受けられる総合的なメニューとして初めての人にオススメのコースだそうだ。中でも“オゾニトロン”と呼ばれる医療装置を使った口腔内除菌を受けられる施設は全国でも1%未満とのことで、目玉のメニューだ。
一方、歯を白くする“ホワイトニングコース”は、口腔内写真と歯の色をチェックした後、PMTC、ホワイトニング、リナメルというのが流れ。PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略で、日本語では「専門的機械歯面清掃」と呼ばれる。歯科医師や歯科衛生士などの有資格者がブラシ、研磨剤、超音波、フロス等を使って歯面を清掃するケアで、日常の歯磨きでは取り切れない歯石や外来着色物(ステイン)、バイオフィルムを除去するのが目的だ。また、リナメルとは歯のトリートメントのようなもので、歯の表面にある目に見えない微小な傷や歯の表面成分が溶け出している箇所を歯の成分に近いハイドロキシアパタイトを用いて修復する。同クリニックのホワイトニングコースでは、これに1カ月分のホームトリートメントなどホームケア商品がセットになっている。
同クリニックでは、他にも1カ月集中の歯周病治療やメンテナンスコースを用意し、それらを必要に応じて適宜取捨選択をしてケアを受けることもできる。
さらに、ユニークなのが、美容皮膚科やネイルサロンと提携し、ほうれい線治療やシミ、たるみ、くすみを緩和する“ダーマペン”と呼ばれるケアなど美肌・アンチエイジングのための治療やネイルといったオーラルケア以外の美容ケアを同時に受けることができるのだ。
それでは早速体験の様子をレポート。まずは各種検査から。
検査が1通り済んだ後は、PMTCの施術へ。様々な器具を使い、歯科衛生士の方が丁寧に歯の表面の汚れを除去様子は、見ている限りはネイリストのような細かさでもあり、見方によっては遺跡の発掘作業のよう。
様々な器具を用いながら施術していく。見た目には少々痛々しくも映るが、体験者によると痛みはほとんど感じないとのこと(左)。使用している器具はもちろん1回1回洗浄・滅菌処理されパッケージされたものを個人専用に開封(中央)。業務用の滅菌装置。ISO規格に準拠した最高レベルの衛生基準で行われている(右) |
歯の表面の清掃が終了した後は、ホワイトニングケアだ。個人にあったマウスピースを当てた後、薬剤が唇や歯茎などを念入りに保護するところから始まる。同クリニックでは、ホワイトニング用の溶液はアメリカ製と日本製が用意され、歯や歯茎の状態や汚れ度合に応じて選択が可能だ。
わずかな隙間に至るまで抜かりなく行われる歯茎や唇の保護。非常に細かくて根気がいる作業も丁寧に行ってくれる。ホワイトニング用の薬剤が歯の表面に1本1本丁寧に塗られていく。最後に、特殊なブルーライトを15分間ほど照射して終了 |
ホワイトニングの施術が終わった後は、仕上げのリナメルへ。同クリニックではハイドロキシアパタイトをナノ粒子化した大中小の大きさの粉末を混ぜ、目に見えないミクロの大きさの傷まで埋めて、歯の表面を滑らかな状態にしてくれる。
施術の最後は“ガムマッサージ”を体験。歯科衛生士さんの指で施術で疲れた歯茎を丁寧にマッサージしてくれる。体験者によると、これが最高に気持ちいいとのこと。ひと通り施術が終わった後は、カウンセリング室で再び検査結果などを説明。ふつうの虫歯治療だけでは聞くことのない、口元の美のアドバイスがあらゆる角度から受けられる。
それでは最後に気になるビフォー&アフターを紹介。明らかに歯の色味がワントーン明るくなっているのが分かる。
女性ならば全身キレイでありたいというのが本心。外からは見えにくい場所だけに後回しになりがちだが、髪や皮膚と同様に完璧にケアをして上級美人を目指してみてはいかがだろうか。