女優・宮沢りえが7年ぶりの主演に挑んだ映画『紙の月』(11月15日公開)の映像が26日、初めて公開された。

宮沢りえが7年ぶりに主演に挑んだ映画『紙の月』

本作は、直木賞作家・角田光代の同名小説を原作に、『桐島、部活やめるってよ』(2012年)などで知られる吉田大八監督がメガホンをとった作品で、作品ポスターには"最も美しい横領犯"の文字が躍る。『オリヲン座からの招待状』以来となる7年ぶりの主演に挑んだ宮沢は、不倫関係の中で次第に横領に手を染めていく主婦で銀行契約社員の梅沢梨花を演じる。その不倫相手の光太を池松壮亮が演じるほか、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、石橋蓮司、小林聡美といった俳優陣が脇を固める。

「平凡な主婦が起こした巨額横領事件」のナレーションからはじまる30秒の映像は、カトリック聖歌をバックに、主人公・梅澤梨花が聖と悪の両面を抱えながら堕ちていく様が描かれている。梨花が「あぁ…私、自由なんだなって」と語ると聖歌は消え、夜空の月が粉々に砕け散り、タイトル「紙の月」の文字が登場。最後は、鋭い眼差しと共に「だから、本当にしたいことをしたんです」という梨花の決意がこもった言葉で締めくくられている。

撮影は今年1月27日に東京でクランクインし、3月12日に国内での撮影を終え、デモの影響で厳戒態勢が敷かれていたタイ・バンコクで同月29日と30日にクランクアップを迎えた。同地でのロケは実景のみの予定だったが、宮沢の提案で演技のシーンを取り入れることに。池田史嗣プロデューサーは宮沢に向けて、「勇気ある決断をしてくださった宮沢りえさんに、心から敬意を表します」と称賛の言葉を送っている。

(C)「紙の月」製作委員会