キングジムは6月24日、これまで慣れ親しんだアナログでの名刺管理に、デジタルのエッセンスを加えたアイテムを発表した。デジタル名刺ホルダー「メックル」とデジタル名刺ボックス「ビズレージ」の2製品で、どちらもスキャナ機能を搭載。名刺をすばやくきちんと管理できる。製品の概要は以下の別記事を参照いただくとして、ここでは発表会の様子を紹介しよう。
キングジム、名刺を直感的に管理検索するデジタル名刺ホルダー「メックル」
キングジム、名刺を自動スキャンで管理できる名刺ボックス「ビズレージ」
デジタル名刺ホルダーのメックルは、デスク上に置きつつ本体のダイアル操作で名刺を検索できる機器。一方、デジタル名刺ボックスのビズレージは、最大約15枚の名刺をワンボタンでスキャンでき、本体の保存ボックスへ約800の名刺を入れておける。
同時に、メックルとビズレージでスキャンした名刺データに加えて、携帯性に優れたデジタル名刺ホルダー「ピットレック」のスキャンデータも管理可能な、デジタル名刺管理ソフト「DA-1」も発表。メックルの発売に合わせて、キングジムのWebサイトより無料で提供される。
発表会の冒頭、キングジム 代表取締役社長の宮本彰氏は「滅多に行わない記者会見を開催した商品。かなり自信がある」と意気込みを語った。続いてキングジム 開発本部副本部長の亀田登信氏からは、今回発表した製品の開発経緯が述べられた。「デジタル名刺整理はニーズとしては非常に高いものの、スマートフォンやパソコンを利用するサービスが多く、ユーザーが道具やソフトに合わせなければならないのではないか?」(亀田氏)という要素に着目。デジタルとアナログの「いいとこ取り」を狙ったのが、メックルというわけだ。
メックルの特徴は、半世紀以上も世界で支持されている名刺ホルダー「ローロデックス」のように、本体右側の大型ダイアルを使って取り込んだ名刺データを直感的に閲覧可能なことだ。
デジタル化しつつも、使い勝手はアナログの良さを残している。メックルは単純に名刺をデジタル化するのみと、シンプル・イズ・ベストの機能にも好感が持てる。「デジタルになると、どう使っていいのかわからない」と敬遠してしまいがちなユーザーも、何ら頭を悩ませることなく、デジタル化による検索性の良さや、登録データをPCにバックアップできるなどの恩恵を受けられるだろう。
一方の「ビズレージ」は、大量の名刺をデータ化して管理できるのが特徴だ。約15枚の名刺を連続で両面スキャンでき、スキャン後の名刺は本体下部の名刺ボックスに自動でスタックされる。この動きと利便性は、さすが文房具を長年開発してきたキングジム。「スキャンした名刺の置き場に困る」という悩みを見事に解決してくれる。
ビズレージ本体は、USBか有線LANでPCと接続できるのも嬉しい。有線LANであれば、1台の「ビズレージ」を、例えば部署のメンバーで共用することもできる。肝心のスキャンした名刺データは、PCへと転送され、専用のデジタル名刺管理ソフト「DA-1」に取り込まれる。
DA-1では、文字認識機能(OCR)によって得られた名刺のテキストデータに加え、データの編集はもちろん、よく連絡する相手をお気に入り登録といった名刺管理が可能だ。DA-1は嬉しいことに、前述したように無償でダウンロードできるうえ、WindowsとMacに対応している。WindowsとMacが混在しているオフィス環境でも、十二分に役立ってくれることだろう。
こちらはDA-1の画面。「会社」「氏名」「登録日」「マイリスト」といったカテゴリ別に、名刺データを整理できる。DA-1で扱う名刺データを、Excel形式やCSV形式として書き出すことも可能だ。外出時はピットレックに名刺データを入れて持ち運び、デスクではメックルを使用するなど、TPOに応じた使い方ができる |
デジタルゆえの難しさは一切なし。デジタル名刺管理の今後も広がるか
2010年に登場したピットレックは、スキャンしておいた名刺データを外出先でも閲覧できるという、携帯性の良さが好評を博した。今回のメックルは、カンタンな操作に加えてデスク上をスマートにしてくれるというデジタルならではの機能性がポイント。そしてビズレージは、高速スキャンやDA-1との連携によって名刺を整理する手間を省き、原本の名刺も保管してくれる利便性が魅力だ。
キングジムには今後も、デジタル名刺管理ソフトのDA-1を中心に、さらに「かゆいところに手が届く」製品で我々のオフィスワークを便利に、そして楽しくしてくれることを期待したい。