説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iTunes Matchで曲をダウンロード済なのに、モバイル通信が発生します!?」という質問に答えます。
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手もとのサウンドライブラリをクラウド化し、iPhoneやiPadから再生できるようにする「iTunes Match」。年額3,900円とそれなりのコスト感はありますが、いちどクラウド(iCloud)に登録されればパソコンとの同期が不要になるうえ、何度でもダウンロードできます。iTunes Storeで取り扱いがある曲と判定された場合は、AAC/256kbpsのフォーマットに置きかえられるため、音質が向上することもあります。
iPhoneでiTunes Matchを有効にすると、以降再生する曲は「ストリーミング」と「ダウンロード」どちらかで処理されます。ただし、ストリーミングといっても常にサーバと通信するわけではなく、いちどディスクにバッファしたうえで再生されるため、実質的にはダウンロードに近い扱いとなります。一方のダウンロードは、再生時にサーバとの通信が発生せず、「ミュージック」が管轄する領域とは別のところに保存されるため他の音楽アプリでも再生できるという違いがあります。
ダウンロード済の楽曲を再生してもモバイル通信は行われませんが、次に再生する予定の曲が未ダウンロードの場合は事情が変わってきます。曲間で再生が止まらないよう、「ミュージック」は次に再生する予定の曲をチェックし、未ダウンロード/未バッファの場合は事前にiCloudから読み込もうとするのです。
だから、ダウンロード済の曲とそうでない曲が混在するプレイリストを再生していると、モバイル通信が発生することがあります。ダウンロード済の曲を再生開始した直後でも、次の曲が未ダウンロードの場合は読み込みが発生します。