米Amazon.comがスマートフォン事業に参入、端末として「Fire Phone」を発表した。Amazonがスマートフォン事業に参入する狙いとはなんだろうか。

Amazon.comのスマートフォン「Fire Phone」

Fire Phoneは、Androidベースの「Fire OS 3.5.0」を搭載するスマートフォンで、4.7インチ1,280×720ドットの液晶ディスプレイ、2.2GHz駆動のクアッドコアSnapdragon 800を搭載する。

ハードウェアスペック的には、目新しい機能は多くはない。前面の四隅にカメラが内蔵され、画面を見る人の顔を認識。視点を検出することで3Dに見えるように表示をコントロールする「Dynamic Perspective」が新しいが、正直なところ、このあたりはあくまでもFire Phoneの目新しさを演出する1機能に過ぎない。

Dynamic Perspectiveによって3Dによる表示が実現されている。3D表示だけでなく、端末を傾けることでスクロールする、といった機能も実現している

重要な機能の1つ目が「Firefly」。これはカメラで写した物体や文字、スピーカーが捉えた音楽などを認識して解析。それに対する情報を表示してくれる機能だ。

つまり、目の前にある本やDVD、ゲーム、ポスターをFireflyで認識すると、その商品に関するAmazonの購入ページが表示される。流れる音楽を認識すれば、AmazonからCDを購入したり、音楽のダウンロードができる。テレビや映画を認識させれば、Amazonの映像配信サービスにアクセスできる。同様のアプリは、スマートフォン向けにこれまでもあったが、これをAmazon自身がやるというインパクトは大きい。

もう1つがAmazonのカスタマーサービスである「Mayday」に1ボタンでアクセスでき、相手の顔を見ながら画面を共有してサポートが受けられるというもの。携帯回線経由でも利用でき、15秒以内にヘルプが受けられる、とアピールしている。

そして、期間限定ながら、1年間の「Amazon Prime」権が付属する、というのも大きなポイント。Amazon Primeは年間99ドルのサービスなので、それが付属するのは1つのアピールポイントとなる。