楽天はこのほど、今年度の高校生向け電子商取引授業「楽天IT学校」を21都県25校で開始した。
起業家精神の育成と地域活性が目的
同授業は、同社が高校生を対象に約1年にわたって実施。インターネット・ショッピングモール「楽天市場」の店舗運営ノウハウを高校生向けにアレンジした電子商取引授業となる。今年は6月に随時開始し、月に1回、全7回のカリキュラムとなる。
授業の後半では、各校による地域のPRを兼ねた販売実践も実施。実体験を通じ、実践的に電子商取引を理解してもらう機会を提供する。同社スタッフに加え、同モールへの地元出店者も講師を務める「楽天×地元企業×生徒」による新しいスタイルの授業となる。
内容は、ネットショップを成功させるための枠組みやノウハウを共有する「場」として、同モール出店者向けに開講する「楽天大学」の講座内容をアレンジしたものとなる。職場訪問、ネットショップにおける販売戦略の立案、ホームページ作成による売り場の構築、商品プロデュース、実際の販売までを実践する。
初回の授業では、「1万3,000円もするハンガーがなんでネットで売れるの?」という切り口で実施。生徒たちに電子商取引が"究極の対面販売"であるという側面を学んでもらう。実際に、同モールでは1万3,000円のハンガーがよく売れており、こういった実例をもとにした授業を行う。
最終的に全国の出店者が一堂に会する「楽天新春カンファレンス」内でプレゼン大会を実施。出店者の評価を得る機会を設ける。これにより高校生間の電子商取引に関する知識等の習得状況やプレゼン方法などの成長レベルの共有も図るとしている。
全国47都道府県にて一斉実施を目指す
2010年に文部科学省が発表した新高等学校学習指導要領において、2013年度から全国の商業高校において電子商取引授業が段階的に導入されることが決定。これに伴い、同社への全国の自治体や学校からの協力要請があり、同授業は2013年度に15校で実施。将来的には全国47都道府県にて一斉に実施することを目指すとしている。
同授業は、13日から随時開始されている。授業の様子は、同社WEBサイトにて順次紹介される。