NTTドコモは19日、第23回定時株主総会を開催した。質疑応答の段で、株主が興奮し、発言がエスカレートしたために退場を命じられる場面もあった。

株主総会に登壇し説明する、NTTドコモ代表取締役社長の加藤薫氏

質疑応答で、これまでドコモのシンパ(支持者)だったという株主は「最近、都内のドコモショップ支店の社員に技術力がない。派遣社員なのではないか」と発言。端末の故障時の対応に不満を抱いたという。また「SIMカードの形が変わったために新しい端末で使えなくなった。既存のお客さんの既得権を平気で犯している」と指摘した。この件に関し、回答にあたった取締役常務執行役員の田中隆氏は「ご不審、ご不満をおかけしている件に関してお詫び申し上げます。ドコモショップではお客様に心を寄せて対応すべきだと思っております」と陳謝。

スタッフのレベルが低くなったのでは、との指摘には「スマートフォンの時代になり、昔に比べると勉強すべきことが多岐に渡るようになりました。研修の実施や、マイスター制度(資格制度)の導入などで社員の教育に取り組んでいるところです。派遣社員、正社員、契約社員の別は抜きにして、しっかり研修を受けた者を窓口に出しているつもりです」と回答した。そして「技術が進歩し端末が進化すると、SIMカードが小さくなったり、変化する部分があります」とし、株主に理解を求めた。

今年も多くの株主が訪れた、NTTドコモの株主総会。都内のホテルのワンフロアを貸し切るような形で第5会場まで用意されたが、どこも満員の様子だった。発言が行えなかったことに不満を抱いたのか、質疑応答の最後には1人の株主がマイクを通さずに大きな声で質問を開始。再三の制止にも応じなかったために「不規則発言」を繰り返したとして加藤氏から退場を命じられると、株主はさらにエスカレートし、会場に響くほどの大声で発言を繰り返した。このため加藤社長は「少し雑音かと思いますが、議事をすすめさせていただきます」として、議案の採決などに移った。